節電の方法の紹介

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※下記の記事は、お知らせで2011年6月28日に記述した内容に多少加筆し、転載したものです。

今回のシステムでの節電の方法の紹介

 震災直後に関電から東電へ送電する旨のチェーンメールと、ネット新聞の誤報に私も惑わされまして、節電のお願いをしてしまいました。改めまして、誠に申し訳ありません。

 ただ、このほど改めまして試練の夏を前に本当に15%の節電しなければならない時がやってまいりました。 

 偶然にも今回改めて作成しました在庫生体用のシステムは、もともと以前、生体を通常販売していた2009年から比べて大幅な節電を課題にしていましたので、自然にそのよ

うになっておりました。皆様の参考にしていただけたらと、そのポイントをいくつか紹介いたします。

1.脱メタハラ、LEDへの変更

 先日も申しておりましたが、これはすでに2010年の段階でこの方針をとっておりました。グラッシーレディオ27などを用いてメタハラとの比較試験を行ったところ、概算でメタハ

ラの1/3程度のW数で、同様の水槽内照度を得られ、しかも大幅な熱源のカットが出来、照明の電気代とともに空調・水温調整としてのエアコン・クーラーの大幅な節約ができ

ました。

2.魚類の照明方法の変更 (直接的照明から間接照明へ)

 これは、特に魚のシステムにおいての改善です。以前まで、合計30Lの水槽に対して、その上から13Wの防滴型の蛍光灯器具を用いて照明をしていました。結果、これを縦

4段に積んだシステムでしたので、合計13×4=52Wの消費電力だったのですが、これをR.P.LEDの15Wタイプ1個で、水槽の外部の斜め上からまとめて照明する方法に変え

ました。魚はむしろ見えやすく、飼育のためだけなら十分な明るさですので、これで十分と思います。ここでは約6割以上の節約ができました。

   
LEDで魚類の水槽を前から照明しています。

3.マグネットポンプから 水陸両用ポンプへの変更

 これも先日少しお話しておりましたことですが、マグネットポンプから、水陸両用ポンプにかえていきました。マグネットポンプは耐久性とトルクが優れていますので、高さのあ

るシステムの循環用に適したポンプとも言えるのですが、同時に自分自身の重いローターを内部で回転させるため、どうしても消費電力が割り増しにもなっているようです。

 以前は、魚の在庫システムには、イワキのRMD-301N(38L/h、揚程約約5M?(詳細不明)、80W)を用いていました。

今回は、同様のシステムで、シッチェマルチ2500(44L/h、揚程約3.1m、38W)を用いました。揚程は2mくらいありますが、ほぼ同様の流量(毎分25L程度)が得られているよ

うです。

 水陸両用ポンプを水中外で使用するのは、静音の意味でトレンディーになりつつあったようですが、最近のマグネットポンプは音も大変静かなため、むしろ消費電力と本体

価格の点で有効かと思います。ただ、インペラは数年に1回は交換しなければならないでしょう。

 (追記)ただ、特に当方のような水槽がたくさんあり、入出荷が頻繁な場所では、水がかかってもよいという意味でも水陸両用ポンプはとても安心です。

 (追記)ちなみに,上記のポンプで動かしている水量は,以前のイワキのRMD-301Nの時で約500L,今回は420L程度です。これに対して実質毎分25〜30L前後の流量ですの

で、一見とても少なく見えますが実際には濾過もまったく問題なく、薬浴のトリートメントでケガも病気も綺麗に直ります。人によっては、これだけの水量なら毎分100L近いポン

プを使われる場合もありますが、電気代も全く違ってきます。一般論にとらわれず、本当に必要な流量を見極めていくことも大事かと思います。

4.サンゴの水流の工夫

 当方の現在のサンゴ、イソギンチャクの在庫水槽は4段水槽になっていて、一番下が60*45*45cm、上3段が60*45*20(高さ)cmです。(下の写真の一番左です)

 これを循環させ、水流源にもしているのは、エーハイム1250(毎分約20L)一台のみです。一番上の水槽に揚水し、下の水槽へOF式で、階段式に順次水を降ろしてくる方法

です。格段の水槽には、循環で降りてくる水だけが水流になっていますが、これを工夫し、放水する先端をまず13oの一番細い塩ビ管にし、さらに細い内径約8oのパイプを

とりつけることで、かなり強い水流となります。これを、主に水槽後部から前方へむかって放水しています。

 むろん、先が細いので詰まりに注意し、オーバーフローしてくる場所で大きなゴミは流れないようにしておく必要があります。ただ、これだけの工夫を行えばOF4段式、合計約

200Lのサンゴ用のシステムを28W(毎分約21L)のポンプ一台で十分に回すことができます。

3月に入荷した、水流の難しいハナガササンゴのロンググリーンの最後の売れ残りを、下から2段目の水槽の一番奥の隅においておりますが、まだ元気にしております。

 ちなみに、照明は上からR.P.LED*3灯(ランプは随時変更)、2、3段目が20W蛍光灯3灯式、一番下がR.P.LED(20W)*1灯です。蛍光灯にはファンを仕込んであり、空冷をして

おります。 

    
    システム全景          循環ポンプ エーハイム1250       落下水の放水口です。         ハナガササンゴです。(これは5月の写真です)

 サンゴは種類にもよりますが大ざっぱにいえば、スターポリプやスリバチサンゴ、トサカ類、SPSをのぞいては、だいたいの種が非常にゆったりとした流れを好みます。

 概して、60*45*45cm水槽では内径10o程度の口から放水される毎分10L(すなわち毎分10L程度のパワーヘッド一台)程度の水流がひとつあれば充分です。

 一般の方の水槽では完全に強すぎになっている場合が多くみうけられます。水流を工夫し、水槽内のパワーヘッドなどを減らすことは、ポンプの電気代はもちろん、

 水温上昇によるクーラーの稼働を減らすことが出来ます。

 追記※あと、特に蛍光灯の場合は、照明自体の冷却が大変重要です。特に水槽直置きの場合は、これによって1〜3℃も水温がかわります。ライトリフトや、扇風機を活用し

ましょう。

5.建物の保温、遮熱

 これは魚だけでなく、おうちの節電になりますが、日陰を作ることは大幅な遮熱になります。数日前、ホームセンターでよしずを買い、両親の家の吐き出し窓の部分にとりつけ

ました。おかげで窓からの熱が大幅に遮断されました。部屋では窓が一番熱が入りやすいため、内側のカーテン、外側のよしずやすだれは非常に効果的です。

  

 ・日陰と日向の温度差

 日陰は、本当に日向より熱が減ります。下の写真は、事務所の屋上です。屋上の半分には葡萄棚があり、日陰になっています。葡萄棚の下の日陰と、日向の温度差を、放

射温度計で測定してみるとなんと30℃以上もあります。やはり日陰にすることは大幅な遮熱に役立ちます。部屋に入ると、葡萄棚のある場所と無い場所ではっきりと室温が違

うのがわかります。

   

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 上記の特に1.〜4.のような改善の結果、かなり見た目にも改善されました。私のところは室温だけで水温をコントロールしておりますが、気温33〜34℃のここ数日で、エアコ

ン27℃の設定で水温約26〜27℃前後を維持できています。一昨年はクーラーの設定を26℃でも水温が28.5℃でギリギリでしたが、あきらかに余裕を持って維持ができるよう

になりました。結果、省エネにもなっていると言えましょう。

 一昨年より12畳ほどの生体・在庫管理室で、まずメタハラ150W*3〜4台、250W*1台を廃止してLEDに変えたことが非常に大きいと思います。それと、店として不要な水槽を

処分し、数そのものを減らしたことが大きいと思います。

 只今、2年越しの淡水魚のシステムを検討中ですが、これは1000L弱のシステムで、ポンプがシッチェ4000(70W)*1、照明は魚に15W*3=45W、水草に20W蛍光灯*24

=480W、蛍光灯用の冷却ファンが3W×6=18Wという状態です。

合計約650W以内の予定ですが、この水草の照明をLEDに変えれば、かなり強い照度になる上、約半分の消費電力になるためまだ悩んでおります。(20Wの器具が

沢山ありますので・・。) 

 現行の蛍光灯を使用する予定でも照明時間を一日6時間にすることで、まる1日200W程度の消費電力で収まる予定です。LEDを使用すればこれが140W程度になります。

 1000Lの淡水水草・魚類の在庫システムが連続140W程度で動くとなればかなり省エネではないかと思います。

 海水魚の世界は、設備を重視するあまり、たとえばメタハラを多灯した水槽で真冬でもクーラーが稼働するという、ロスの極地のようなことをまるでご立派な美徳のように言い、

さらには節約への追求をして飼育する人を影で嘲笑するという、愚かな一面があったように思います。このようなことはこの業界だけに通用することであり、本来ロスは”改善”

の対象であって、満足・納得することではありません。

 我々は商売ですから、節電はもとより特に今の時代は無意味なロスは少しでも省いて経営をシェイプアップしなければなりません。

 どうか固定観念やこれまでの無意味な業界の”雰囲気”にとらわれず、実質を見て改善を行って頂けることを心から望む次第です。