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                                    ■好日性サンゴ飼育ガイド■ 2014年6月15日全体改定  

本ページは、基本的に初心者向けスタートガイドブック BL-EXTRA-1をご一読頂いた上でのやや発展的内容になっております。
初めて飼育される方はぜひ上記を先にご一読下さい。一部、内容的に重複している部分もあります。
また、こちらは好日性サンゴ飼育方法(飼い方)の全体的な総論です。各種の飼育方法は
好日性サンゴ各種飼育図鑑をご覧下さい。

※恐れ入りますが、各記事断り無く内容を変更することがありますのでご容赦の程お願い致します。わかりにくい訂正部はピンク色の文字にしております。

更新履歴

<索引>

●飼育を始められる前に 

 サンゴの大まかな分類を知りましょう

 病気にかかりにくく、サンゴに優しい魚だけを飼育しましょう

 原則的に、魚の飼育はできるだけ控えましょう

●飼育に必要な環境・条件

 水質1.まず最低限、魚が飼える状態

 水質2.減らしたい成分 硝酸塩とリン酸塩

 水質3.必要な成分 微量成分・カルシウム・KHなど

 比重について(2015/8/16更新・追記)

 水温について

 サンゴへの水流

 光と照明器具

 人工海水について
 →
飼育器具のガイドを参照願います。

●ろ過システム 

 ろ過方式の選択

 ろ過方式1.底面フィルター(パワーヘッド+エアーレーション)

 ろ過方式2.底面フィルター2(ワンタッチフィルター+エアーレーション) 

 ろ過方式3.密閉式フィルターを利用した方式 

 ろ過方式4.ベルリン式

 還元ろ過の使用

 プロテインスキマーの使用の有無

 水質維持管理方法のまとめ 

●飼育上の注意点

 魚との組み合わせ 

 藻類・コケ関連対策について

 他の有害生物・対策 (2017/3/21 ムギガイを追記)

 サンゴへの給餌は原則不要

 サンゴ同士の接触にご注意

 無脊椎水槽での白点・ウーディニウム病

 サンゴ(主にLPS)の色抜けの原因と対策

 その他の注意点など

 

●飼育を始められる前に

サンゴの大まかな分類を知りましょう

 好日性のサンゴは飼育上の性質から、大きく以下の2(3)に分類することができます。

1.ソフトコーラルの仲間

 体全体が柔らかい肉質のサンゴです。イソギンチャクも、ソフトコーラルに近い仲間とされています。サンゴの中では比較的飼育が楽・丈夫な方で、サンゴと一緒にできるだ
け魚も多く一緒に飼いたい場合も種々のストレスに強いという意味でソフトコーラルの方が向いています。

2.ハードコーラルの仲間(LPSとSPS)

 硬く、重い石灰質の骨格をもっているサンゴの仲間です。水質的にはソフトコーラルより敏感で、ソフトコーラルは水質が悪化したときなどにも時間・日数的に余裕があります
が、ハードコーラルは数日間状態が悪いとすぐに腐食して全体がすぐに死亡しまうものが多いです。
 求められる必要な成分のレベルも高く、意識的に維持する必要があり、微量成分の他、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、KH値などが一定以上必要になります。
 ただ、意外に高水温だけはハードコーラルの方がやや高く耐えられるものが多く、ミドリイシや一部の種類をのぞき、状態の良い水槽ではハードコーラルは30℃度程度でも
大きく開いている場合が多いですが、ソフトコーラルでは多くの種が28℃付近が限界のようです。
ハードコーラルはさらにLPS(ラージポリプ ストーニーコーラル)と、ミドリイシなどのSPS(ショートポリプ ストーニーコーラル)に分けることができます。
 これらは性質や好む水質がやや違うことが分かってきております。 

 本記事では、上記ソトコーラル、LPSのハードコーラル、SPSのハードコーラルをそれぞれソフト、LPS,SPS、という書き方で略記させていただきます。 

 ・LPSの仲間

  種々、形状が違うものがありますが、全体的に昼間は体を大きく膨らませることが特徴です。水質的には、硝酸塩は嫌いますが、リン酸塩はむしろ存在したほうが状態が
 良いものが多く、バブルコーラル、パールコーラルなどは存在しないと飼育そのものが困難になるほどです。

 ・SPSの仲間

  ミドリイシやウスコモンサンゴなど、いわゆるテーブルサンゴなどが中心のグループです。体はほとんど膨らませることがなく、ごく小さなポリプだけを開くのが見た目上の
 特徴です。栄養塩的に極めて敏感で、硝酸塩・リン酸塩などが極めて少ない水質を好みます。なお、SPSはこちらSPS飼育ガイドをご覧下さい。

  
(左)ソフトコーラル(硬い骨格を持たない)の仲間です。    (中)これらが主にLPSのハードコーラルです。     (右)主にミドリイシが含まれるSPSの仲間です。

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病気にかかりにくく、サンゴに優しい魚だけを飼育しましょう

・魚病薬は原則的に使えません。

 一部の薬品を覗き、サンゴまたはその他無脊椎動物を飼育している水槽は、原則的に魚病薬や駆虫薬を使うと死んでしまうため、使えません。
また以前薬品を使用した場合は、その薬効・毒性が完全に無くなった状態で飼育する必要があります。
 過去、硫酸銅・色素のある薬品を使用していた水槽の場合は、まず水を100%交換する必要があります。ろ材や砂は一般的には一度でも薬品を使用したものは使用しない
方が良いとされていますが、当方のこれまでの試験・経験ではろ材や砂を水・または海水で3回以上すすいでよく洗った後であればさしあたり支障なく使用できています。

 重要なことは、水槽内で魚の病気が出ても、治療がほとんど出来ないということです。そのため、無脊椎と同居させる魚はもともと病気に罹りにくい魚だけを選ぶ必要があり
ます。

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原則的に、魚の飼育はできるだけ控えましょう

 上記の治療薬、病気の点に加え、サンゴを飼育する場合は原則的にお魚の飼育は控えめにするということが成功の第一条件です。特に、LPSを飼育する水槽では、種類
にもよりますが、魚が増えるだけで確実に状態が悪くなっていきます。また、魚が多ければ必然的にエサを多く与えることになり、水質的にも悪化します。
 ただ、ソフトコーラルであればLPSよりはずっと種々の点で丈夫、鈍感ですのである程度は飼育が可能です。
 サンゴの水槽に魚を多く入れられてとりあえず見た目のサンゴの状態が悪くなっていないという場合も確かにあります。しかし、その再現性は決して確立の高いものではな
く、何の保障も無いことだけは、認識しておかなければならないでしょう。
 詳しくは、後述の
魚との組み合わせをご覧下さい。

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●飼育に必要な環境・条件

水質1 まず最低限、魚が飼える安定度・水質であること

 サンゴが飼育できる水質のまず第一条件としまして、ろ過システムが立ち上がり、アンモニア、亜硝酸などが消え、水質・ろ過システムが最低限安定している状態である
必要があります。飼育方法にもよりますが、サンゴは異常なく飼育できていればエサを必要としないものも多く、あまり水を汚しません。それゆえ、魚よりも水槽の立ち上げた
初期から少しなら収容しやすいと言えますが、魚以上に敏感なものが多く、やはり最初の1〜2ヶ月はあまり多く入れず、控えめに飼育しましょう。
(水槽の立ち上げなどは、魚飼育ガイドをご覧下さい。)

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水質2 できるだけ減らしたい成分 硝酸塩とリン酸塩

 徐々に蓄積してくる硝酸塩は毒性は低いですが、サンゴにとっては少ない方が好ましいです。高濃度に堪えられるものもおりますが、多くのソフトでは25ppm以下、LPSで
は10ppm以下、SPSでは可能な限り0ppmにしましょう。 
 硝酸塩濃度に極度に強いものを紹介しますと、ソフトコーラルは全般が丈夫ですが、スターポリプやハナヅタなど、ツタ形状にものは硝酸塩の増加で生えてくる糸状の藻類に
覆われて死んでしまいます。また、ハードコーラルではバブルコーラル、パールコーラル、コハナガタサンゴなどです。これらは50ppm程度あっても飼育は可能です。
ただ、これほど濃度が高いと先の糸状の藻類の発生が顕著になり、覆われたり不調になって死亡してしまうことも多いため、やはり少ないにこしたことは無いでしょう。
 硝酸塩濃度を低く保つには、水換え、還元ろ過、スキマーの使用などがありますが、当方では還元ろ過の使用だけで間に合わせています。
もともと、魚などエサを必要とする生き物が少なければ、硝酸塩濃度を低く維持しやすいといえますでしょう。

 次にリン酸塩につきましては、必ずしも低濃度であることが好ましくありません。一般にはリン酸も少ない方が良いと雑誌類ではしばしば書かれているようですが、実験・検
証をしていない憶測の意見と思います。
 まず、ソフトコーラル、LPSではある程度リン酸塩があるほうが好ましく、状態が良いようです。限界値の2ppm存在しても、各種数ヶ月〜1年間の飼育では問題は認められ
ませんでした。また、ほとんど無い状態ではソフトコーラルの成長がほとんど停止してしまい、状態も悪くなります。
 LPSでは特にバブルコーラル、パールコーラルなどはリン酸塩が少ないと1〜2週間でだんだんと瘠せてしまい、飼育そのものが困難であることが判明してきました。
昨今、ミドリイシなどSPSは皆元気である非常に水質が綺麗なベルリン式の水槽で、なぜかバブルコーラルだけがうまく飼えないという方がしばしば居られるようですが、これ
が原因ではないかと思います。 
 SPSは可能な限り低い方が好ましく、濃度の高い水質ではあっというまに褐虫藻が増えすぎて茶色になってしまい、直後に一気に崩壊するという現象がみられます。た
だ照明が極端に強い場合などは成長が良い場合もありますが、骨格の形成が異常になるなどの問題も指摘されています。

硝酸塩とリン酸塩の濃度目安

 

硝酸塩濃度(ppm)

リン酸塩濃度(ppm)

最大許容値

推奨範囲

最大許容値

推奨範囲

ソフトコーラル 50 0〜25 2 0.1〜2
ハードコーラル(LPS) 25 0〜10 2 1(〜種類によっては2)
ハードコーラル(SPS) 1 0 0.2〜0.3 0.1〜0.2

(ご参考まで)

 水中のリン酸塩は硝酸塩と同じようにもっと増えるものなのですが、海水ではカルシウムイオンと結合して沈殿するために限界でも2ppmにしかならないという言い方が出来
ます。また、リン酸は還元ろ過では取り除くことができません。リン酸があるとLPS系ハードコーラルがかえって良く開くようになり、成長も早いくらいなのですが、しばしば褐虫
藻類が増えすぎるために吐き出す現象も見られ、これがサンゴのストレスにもなるという見解もあり、意見の分かられる部分だと思います。

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水質3 必要な成分 ミネラル・カルシウム・KHなど

 サンゴは、各種のミネラルを吸収して成長するため、これらが水中に存在することが必須となります。

この成分には、種々の微量成分、ストロンチウム等の他、比較的高濃度に含まれている重要なものでは、カルシウム、マグネシウム、KH(以下、これら3種を”カルシウム等”
と略します。)があります。
これらは、サンゴ自体が吸収するほか、プロテインスキマーを使用している場合はこれが除去してしまう部分も多く、維持・補充が必要となります。

・種による要求度の違い 

 まず、ソフトコーラルはあまり厳密ではなく、頻繁な水換えや厳密な添加剤でのミネラル補充を行わなくてもかなり長期間成長をしてくれる種が多いです。もともと成長によっ
てカルシウム等はあまり多く吸収しないため、濃度減少がおきにくいこともあります。
 ただそれでもあまりに成分が消耗してしまったり、マグネシウム濃度等が極端に低いとまったく開かなくなる現象が確認されていますので、魚を飼育している時程度の水替
えや、それをしない場合は微量成分等の添加だけは行っておきましょう。特に問題ないなら、ソフトコーラルもハードコーラルと同じ扱いで維持しておけば最良です。

 ハードコーラルを飼育する際は微量成分は普通に添加剤などで維持するとして、カルシウム等は一定の濃度を維持する必要があり、全般的な微量成分のほか上記の各成
分は意識的に濃度を保つ必要があります。

・必要な維持濃度・測定の必要度など 

 ストロンチウム:(推奨値)8〜16ppm

  高価な測定キットもありますが、実際は特に測定の必要はなく、濃度の明記されている添加剤を範囲内で使用すれば問題ありません。 

 マグネシウム:(推奨値)1200〜1600ppm

  もともとが高濃度で、カルシウムリアクターを持ちいていれば比較安定して増減の少ない成分です。当店でもいつ測定しても1200〜1400ppmの間で、これ以下になったこ
 とがありません。これもあまり測定する必要を感じませんが、もし飼育がうまくいかず、他に理由が見当たらない場合、ら一度測定してみるといいでしょう。   

 カルシウム:(推奨値)400〜550ppm

  サンゴが多く吸収しKH(炭酸塩)と対になって骨格を形成する重要な成分であるとともに、プロテインスキマーで除去もされやすく変動がやや激しいです。特に、KH上昇材
 を多く用いると水中で結合して炭酸カルシウムとなって沈殿し、濃度を下げてしまいます。
  濃度的に350ppmくらいまでならハードコーラルが死亡することはあまりありませんが、300ppmを切ると状態が悪化してくる場合が多いです。飼育初期は2週間に1回くらい
 測定し、安定した後も1ヶ月に1回くらいは測定することをお薦めします。

 KH:10〜18(7〜12?)(単位:dH)

 上記カルシウムでも述べましたように、サンゴの骨格を形成する重要な成分です。カルシウムリアクターでほぼ維持ますが、上昇させるには、KH上昇材を用います。
ただ、むやみにKH値だけをあげすぎると、上記でも述べましたカルシウムの低下を招きますので、7以上の値があるようでしたら無理に上昇させないことをお薦めします。)
※申し訳ありません。実はKH値につきましては、当店でも長年研究しておりますが、明確な適正値がいまひとつ判明しておりません。以前の当店各ガイドでも10〜18ppmの
範囲でサンゴが好調であり、実際にこの値をお薦め、推奨値として掲載しておりました。KH値だけの事をいえば、高い方がLPS等の状態が良いことは事実です。
 ただ、こちら長崎半島南部の天然海水では約450ppm、KH:5〜6、マグネシウム:約1400ppmで、付近にミドリイシが成長しているところもかなりあり、実際2014年6月現在
、この水質(人工海水・添加剤の維持)でミドリイシ・数個のLPS・ソフトコーラルを養殖しているところ、良好な成長を維持しています。
昔は、KHが5〜6などの値ではLPSなどが不調で値が高い方があきらかに状態が良かったのですが、昨今微量成分や人工海水全体の改良などで他の成分の条件がかわっ
てきたことも、なんらかの影響を与えているのではないかと、推測しております。

 その他の成分等

 ヨウ素は特に添加しなくても維持できることが多いですが、補給するとなお良いでしょう。(水中では数日でなくなっています。)ただ、ヨウ素補給すると藻類の増殖を招くこと
があり、状況に応じて使用を調節する必要があります。  

・成分維持の方法

 各成分を維持する方法は、微量成分は専用の添加剤を用いたり、2週間に1回は海水を多め(半分以上)に交換する方法があります。
ソフトコーラルのみであれば、この方法でもいいと思います。

 ハードコーラルを飼育する場合はカルシウムとKH値、マグネシウム等の主成分はカルシウムリアクターを設置すると、自動的な維持が可能になり、ずばりカルシウムリアク
ターは用いた方がいいでしょう。添加剤で個々の成分を一週間に1回程度測定して濃度をあわせることも不可能ではありませんが、かなりの労力を必要とし、実際なかなかや
りきれません。
 また、水換えは硝酸塩などの除去も一緒にできるので、その意味では便利ですが、微量成分の維持だけを言うと、添加剤の方が安価で確実です。
 一応、お勧めの方法としては、還元ろ過を用いて水をあまり替えないシステムとし、カルシウムリアクターでカルシウム、KH、マグネシウム等を維持・安定させ、他の成分は
添加剤を使用して補給する方法です。
 
 KHとカルシウムイオンが添加のたびにたがいに結合して炭酸カルシウムとして沈殿してしまい、双方の濃度がシーソー状態になってうまく上がらない場合、マグネシウムを
添加して多くすると、双方を安定させやすくなることが多いです。

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比重について (2015/8/16更新・追記)

 サンゴだけでなく多くの無脊椎動物は魚と違ってやや高比重の濃い海水を好みます。無脊椎動物の体液の濃度は、魚とは逆に海水より濃いため、若干高い比重での飼育
が良いようです。
 ただ、実際には海水の比重は蒸発により濃くなりがちて、気づかずに上がりすぎになって悪い状態になってしまうことが案外ありますため、安全のためには少し低い値にして
おいてもよく、ほとんど問題はありません。(当店の養殖サンゴ水槽もそのようにしています。)以下、表にまとめました。
 

  テトラハイドロメーター比重計 ディープシックス比重計
状態重視の値 1.024〜1.026 1.022〜1.024
蒸発を見越した安全値(おすすめ) 1.021〜1.023 1.020〜1.022

また比重計には、機種によってかなり差が認められます。こちらの飼育器具類のコラムに掲載をしておりますので、ご参考になりましたら幸いです。
(※本ページの記事では、特に記述がない場合はテトラハイドロメーター比重計の値を以後採用するものとします。)

(2015/8/16更新・追記) 

 サンゴにとっての適正な比重地の見解に、当方ですこし変化・変更がありました。 
 2015年に当店の養殖サンゴ水槽で、誤って雨水が水槽に流入し、比重値がテトラ比重計で1.018程度にまで低下し、一週間程度を経過したことがありましたが、ソフコーラ
ル・SPSとも見かけ上、なんら問題はなく、むしろソフトコーラルは状態が良いように思われました。(比重を測定するまで気がつかなかったのです。)
 昔は確かに、比重がやや高い方が全体的に状態が良いと思われましたが、当時と違うところは、添加剤(微量成分)を自社開発して、改良が進んでいたことです。このこと
から、ミネラル・微量成分さえ十分に補充されているのであれば、比重はかなり低い状態でも、特にソフトコーラルには問題が少ないのではないかと考えています。
 現在、これらを総合的に判断し、さしあたっては現在は上記のおすすめの安全値がおすすめです。  

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適正な水温について 

 ※ヒーター・クーラー・ファンを用いた具体的な水温の維持方法は、初心者向けスタートガイドブック BL-EXTRA-1をご覧下さい。ここでは、各サンゴの適正な水温についての
み、記述いたします。

 一般的な好日性サンゴはソフト、ハード双方で25〜28℃がもっとも適温です。許容範囲内は24〜28.5℃程度です。
また、魚ほどではありませんがその水温に適した褐虫藻が繁殖するため、長期的な”慣れ”も見られます。
特に輸入直後のLPSでは、水温が23℃以下では明らかに不調になってしまう種類があるため注意が必要です。

 水質が良い場合、一部の種を除いてLPSでは約29℃まで耐えられます。さらに、ハナガササンゴ、バブル、コエダナガレハナなどは、30℃でも耐え、全開になっている記録
があります。ただ、この間開きすぎて共肉が骨格から外れてしまったという現象がみられることがコエダナガレハナのブランチタイプでありました。 
 ストロンチウムなどのミネラル分を充分に補っておきましょう。
 むしろ、ソフトコーラルの方が比較的高水温に弱いようです。丈夫なスターポリプ(セブ産)が28℃程度に限界があり、夏場の輸送での死着が多いことから、案外高水温に弱
いと当方自身も思っていたチヂミトサカが、水槽内で試験してみると意外に高水温に耐えるなど、種類によって違います。
 またサンゴ本体と、共生している褐虫藻が好む水温が多少違うようです。光合成は温度が高い方が効率が上がり、逆に水温が低いと著しく活動が悪くなります。水温が低
いとサンゴが不調になるのは、このためではないかと思われます。
 ただ、水温が高いということは細菌類の繁殖力も高まる上、光合成で産生される有機物の量も増えるので、腐食が置きやすくなるのも事実です。  

一般論と相違がある理由 密漁・違法の近海産ハードコーラルは、23〜25℃が適している

 サンゴのを飼育する水温には、色々な意見と情報が交錯しています。
「24℃くらいが良いと言われたので飼育しているのですが、サンゴが不調です。どうしてでしょう。」という質問が以前数件寄せられました。
この水温に関する誤解は、非常に罪深いものがあります。お客様の間でも、サンゴの飼育水温が23〜25℃が適温であるという情報を得たのに飼育が上手くいかないという
上記のような質問が当方にも寄せられます。23℃では、輸入直後のバブルコーラルなどLPSの一部で、すでに飼育が難しくなります。
 嘆かわしいことですが、違法採取が激しく行われている四国・和歌山沖など、本州近海の水温は確かに熱帯のそれよりも低いですので、上記のような水温で飼育すること
が適しているという事実があります。(ちなみに雑誌類はこういうことには一切触れません)

スキューバダイバーさんなどのページをぜひ見てみてください

 サンゴ礁豊かな赤道付近でダイビングをされ、各地のサンゴ礁の状態や水温を明確に記録されている方のページはたくさんあります。ぜひ一度ご覧下さい。水温は季節
によって29℃〜30℃にもなっていることがよくあります。また、当方が関係している卸業者さんの情報では、コエダナガレハナクリアーグリーンの原産地の水温がも、29℃
程度にまでになっている場合もあるそうです。こういった品種を飼育する場合、かえってこのような水温が必要なのかもしません。
ただ、これは昼間の水温であるため、年中こういう温度が必ずしもこのましいわけではないと思われますため、平均で28℃くらいまでを上限としておけばまず大丈夫でしょう。

当方の過去の高水温実験

 以下の写真は、当方の在庫水槽で水温が29〜31℃の状態になった際の状態です。このような水温が長期に続くことはよくないと思われますが、種類によっては耐えられる
ものも多いということと、いきなり死亡することは少ないです。むしろ、ハードコーラルの方が高水温に強いものが多い印象があります。
  

 
水槽1(水温29℃) バブルコーラル、ハナサンゴ、ベニウミトサカなどを飼育していた水槽 

 

 
水槽2(水温30.5℃) ハナガササンゴ、チヂミトサカ、アザミハナガタ、タバネサンゴなどを飼育していた水槽 

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適当な水流と起こし方

 サンゴには各種に適した水流が必要です。これは水を体内に取り込むためや、光合成によって発生した有機物が体外に溢れたものを順次洗い流すためなどに役立っている
と思われ、各種に適当な流れを用意する、または適した水流の場所に置いてやる必要があります。 
 器具としては水中にパワーヘッドなどを設置しますが、これは水温を上げる副作用もあるためできるだけろ過器や循環用のもともとある水流源で効率的に水流をつくれるよう
にした方がいいでしょう。

 
 サンゴは、よほど強い水流を好む一部の種(スリバチサンゴ、スターポリプなど)以外は、ポンプなどからでる直接の水流を当てない方が良いです。水流がサンゴに局
所的にあたると痛めてしまいます。そのため、水流をいったん水槽の壁などにあて、その返ってくる水流を利用することをお勧めします。
 (
各種サンゴの好む水流と許容範囲が違います。以下の全体的な説明でも種別に記述していますが、詳しくはサンゴ飼育図鑑もご覧下さい。)

水流の作り方、出来方

 どれくらいの水流がどういう時に発生し、各サンゴに適するのかということは、最初はなかなかに分かりにくいため、以下に簡単な図で説明いたします。 
 下の図絵は、水槽にパワーヘッドを使用した底面フィルターをセットしポンプを水槽の背面の中央上部分に、前向きにセットした場合に起きる水流を
想定しています。矢印が水流を現しており、色わけで強い順に赤、黄、緑、青としています。

 同じ流量でも、シャワーパイプなどを放水につかうと水槽に発生する水流は激減してしまいます。特に理由がないなら、使わないほうがいいでしょう。

水槽容量 ポンプの流量
45×30×30 3〜5L
60×30×36 5〜8L
90×45×45 8〜10L
120×45×45 10〜15L

※本図は、断面として見た水の流れです。

各場所に適応するサンゴの種 

赤色の矢印の場所(最も水流の強い場所):スターポリプ、スリバチサンゴ(サンゴ以下略)
黄色の矢印の場所:チヂミトサカ、ベニウミトサカ、ウミキノコ、ウミアザミ、マメスナギンチャク、ハナヅタブルー(ゼニアSP.SPG含む)、など
緑色の矢印の場所:コルトコーラル、ヌメリトサカ、ハナガサ、アワサンゴ、ナガレハナ系(コエダナガレハナ、ハナなど)、オオナガレハナ、オオバナ、コハナガタ、アザミハナ
ガタ、オオタバ、ハナズタ、ツツウミズタ、タバネサンゴ、オオナガレハナ、(シャコガイも)など

青色の矢印の場所(最も水流の弱い場所):イエローポリプ、ハナガタサンゴ、バブルコーラル、パールコーラル、ディスクコーラルなど

セッティングの実例

下の写真は上記の図とほぼ同じポンプ・底面フィルターをセットした120*45*45cm水槽に、各サンゴを多めに配置した例です。(過去の当店在庫水槽です)
先のCGの解説どおり、底面フィルターに毎分約13Lのパワーヘッドを使用し水槽の奥部のほぼ中央から前向きに放水しています。白い矢印はパワーヘッド
から直接出てきた水流を表しています

 少しわかりにくいですが、左下のグリーンのハナガササンゴの状態に注目してみてください。よく開いていますがやや後ろ方向になびきすぎ少し水流が強すぎの状態です。
もう少し、水槽の内側によせて流れの穏やかな場所にかえた方がより良いと思われます。

水流の強すぎ、ポンプのつけすぎにご注意ください!

 最近、水流専用ポンプ等色々なものが販売されている中で、水流はつければ必ずよくなるのではという、誤った認識が広まりつつあるように思え、懸念を禁じえません。
100〜150L程度の水槽で、水流ポンプを2〜4個もつけている方もあって驚いてしまうのですが、こんなことはほとんどの場合で完全に間違いです。
 まず、LPS、ソフトコーラルの場合は100〜150L水槽では循環ポンプ等からの放水等で、毎分10L程度があればあればこれで起きる水流で普通はもう十分です。
放水口がシャワーパイプになっていて弱かったり、またあきらかに流量が少なくて弱すぎる場合だけ、毎分5〜10L(5〜10W)程度のポンプを1個だけ追加するといいでしょう。

 一例をご紹介しますと、以下は60*45*45cm(約100L)水槽で底面フィルターを用いているLPS中心の水槽で、ポンプは底面フィルター用のRIO400(毎分8L程度)1個のみで
す。サンゴの開き方と揺らめき方からして、これで十分です。若干強くしたとしても、毎分10L程度まででしょう。
 特にハナガサ、ナガレハナ系などポリプを長く伸ばすLPSには強すぎる水流は、一時開いているようにみえても、片方に激しくなびいているのはすでに強すぎです。どちらとも
なく、ゆっくりとユラユラと揺れているくらいが適当です。
 もしこれが、SPS中心の水槽でしたら、もう1つだけ同量のポンプを追加するか、今使っているものをもう少し強くして毎分15〜20L程度のものを用いるといいと思います。
どちらにしても、その程度で十分です。

 

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光と照明器具

 好日性サンゴは、体内に共生している褐虫藻を養い、またそれからエネルギーや溶解したタンパク源等をもらうため、照明が不可欠になります。
 光はある程度までは強い方が良いですが、絶対的にどこまでも強い方が良いとうわけではなく、種類によって適度があり、浅場系ミドリイシなどのSPS類、シャコ貝は確か
にできるだけ強い光があった方が飼育しやすいですが、LPS類,ソフトコーラル、イソギンチャクも殆どの種類が水深45cmまでの水槽では蛍光灯で充分に飼育可能です。 

照射時間

 1日に8〜12時間が目安ですが、藻類の発生を考慮するとできるだけ8時間程度にしたほうがいいでしょう。また、夏場等水温上昇が懸念される場合は、6時間程度にして
も数週間なら問題は見られません。タイマーを用いてセットすることを強くお勧めします。不定期な消灯・点灯ではサンゴが不調になりやすいということと、”つけ忘れ”はそうた
いしたことはありませんが、”消し忘れ”が大変危険で、うっかり一晩でも点灯しっぱなしになると非常にダメージが大きく、数日後に死んでしまうことも多々あります。

照明の種類と選択

 サンゴのための照明は、一般的に蛍光灯、メタルハライドランプ、のほか最近登場し一般化してきましたLEDによる照明があります。
以前は蛍光灯以外では高温・高価なメタハラしかほとんど選択肢が無かったため、クーラーがほぼ絶対的に必要になるなど難しい面もありましたが、LEDの登場でずいぶん
と楽になりました。波長のこだわりがある場合は別ですが、私見では、LEDで十分メタハラの代用ができると考えています。
 そこで、今後は蛍光灯とLEDのいずれかを用いるかということを選択・検討されるといいと思います。

安価なのは蛍光灯で、予算に余裕があるのならLED、特にレンズ付きLED電球の器具をお勧めします。(理由は下記で後述します。)
これを用いると、蛍光灯より低いW数ではるかに高い照度を得る事ができます。ただ、これを使用する場合の問題として、本体以外にクリップライト、設置する場所が回りにな
い場合はそれを設置するためのアーチ台が必要となり、本体以外に1万円前後の費用が必要になります。
前述しましたようにミドリイシ等など、光を多く欲する一部の生体以外は蛍光灯でも飼育は可能ですので、予算に応じて選択されるといいでしょう。

LEDを使うなら、レンズ付きスポットタイプの”電球型”がお勧め 

 LEDは、消費電力に対する発光効率自体は蛍光灯とあまり変わらず、むしろ蛍光灯の方が良い場合もあります。(よくエコと言われていますのは、あくまで白熱電球とくらべ
てのこと、
他は寿命です。)
ただ、LEDには非常に大きな利点があり、もともとLED球自体に指向性(照射範囲・角度の限定性)がある程度あり、さらに光源が小さく”点光源”に近いため、適切な反射鏡
やレンズが用いられた電球製品は、照射したい場所だけを大変効率よく照らせることです。これは非常に大きなことで、逆に言えば蛍光灯の光は、実際に放射されている光の
多くがサンゴ・または水底以外の関係のない方向に散光してしまっている、ということが言えます。

 そこで、上記レンズ付のスポットタイプのLED電球を用いると、照らされているサンゴが強く明るくなり、他の場所や岩の裏側などははっきりと暗く、陰影・メリハリの効いた見
た目になり、しかも結果的に蛍光灯の半分程度の消費電力で数倍の(水底部分の)照度を得られます。
 たとえば60*45*45cm水槽で、蛍光灯なら20W×4本くらいは欲しい状態でも、LED電球では20W2灯でそれよりはるかに高い(水底部分の)照度を得る事ができます。
(ためしにレンズをはずして使用しますと、底面の照度は激減し、光は大幅に散光してしまいます。)さらに水面が揺れているとこれがレンズの役目を果たし、水底がキラキラと
して陰影が強い水槽になり、見た目になんとなく綺麗で高級な印象ともいえると思います。
さらに、ガラス面に光が透過しないよう角度をつければ、藻類の発生もかなり抑えることができます。

かつて販売していましたR.P.LED、現在のアクシーファインスポットなどもそれに該当します。
 あと電球型LEDの利点は、複数の水槽があり、複数の照明を用いるとき、各水槽で個数や必要照度を調製し、自由に使い回しがしやすいことです。
ただ、本体以外にクリップライト器具と、それを固定するアーチ台などを別途用意しなければならないのが費用的にやや負担がある点です。 

 他、LED器具でもLED球が平面に普通に点在するように配置され、レンズが無い器具、また蛍光灯型LED等もあります。これらは多くが水槽にそのまま設置できるため、設
置は容易ですが、普通の蛍光灯に近い照射状態となってしまうため、LEDの良いところがあまり生かせず、結果的にそういう器具を規定どおりの使い方をした場合、蛍
光灯器具よりW数が低いものでは見ためがあきらかに暗くなってしまう場合が多いです。

(追記:もちろん、全方向に放射する蛍光灯と違ってLED球は下向きについており、また球自体に指向性(放射角度の限定性)がある程度あるので、蛍光灯よりはずっと効率
は良いです。)

長々と申しましたが、あえてLEDを用いるなら、レンズ付きのLED電球等を用いた方が、LEDとしての意味をより発揮できると申せましょう。
また、波長へのこだわりさえなければ、十分にメタハラの代用となり、同程度の水槽の底面照度を実現した場合に比較にならないほど少ない発熱・消費電力です。
飼育器具のガイドに詳細な照度測定結果などがありますのでご参照願います。

             
       (左)購入後レンズの照射範囲の選択が可能な電球型LED器具です。       (右)電球型LEDを多灯した水槽です。(当店の過去LED試験水槽です)

蛍光灯で飼育する際のランプの数、種類と組み合わせ

 蛍光灯のランプは各メーカーさんから色々なものが出ていますが、大きく分けて白色系(3波長昼光色)、赤っぽい色の植物育成(鑑賞魚用)系、ブルー系の3種があり、最
近ではこれらそれぞれの間くらいのランプ(ブルーホワイトのような)も登場しています。

 ランプの選択と組み合わせは、通常、蛍光色を持つサンゴほどブルー系ランプを使用しないと蛍光色が維持しにくいのですが、明るさは白色系の方が2倍程度高いため、
2灯式の蛍光灯器具で飼育する場合、ランプの組み合わせがよくわからないときは片方を白色系、もう片方をブルー系にしておけばさしあたり良いと思います。
 LEDが人気ですが、まだまだ蛍光灯も捨てたものではなく、いい色も多く、ニッソーのトロピカルマリンランプは、ブルー系ラ
ンプでも青紫の深い色で魅力的と思います。

蛍光灯・LED電球の必要数・種類と組み合わせ

 次の表は、実際に器具、各水槽にどれくらいの灯数を用いるべきかの目安を示したものです。※ミドリイシ・SPSについては別の扱いとします。以下はあくまでソフトコーラル

LPSを飼育する場合とお考え下さい。

水槽の大きさ 蛍光灯を用いた場合 電球型LEDを用いた場合
30*20*20cm 13W以上 10〜15W×1個 

45*30*30cm

30〜45W(15w×2〜3本など) 15〜20W×1個 
60*30*36cm 40〜60W (20W×2〜3本など) 15〜20W×1個
60*45*45cm 60〜80W (20W×3〜4本など) 15〜20W×1〜2個
90*45*45cm 90〜120W(30W×3〜4本など) 15〜20W×2個

照明つけっぱなしは1日でも絶対危険。サンゴが死にます。タイマーの使い方にもご注意を。

 サンゴに対して一晩中電気がついていると、まず間違いなく生理作用が狂って死んでしまいます。1日でもかなり異常になってしまいますので絶対気をつけましょう。
よくありますのが、タイマーを使っていて、照明が切れている時間なのに、なにかの用事でタイマーのONボタンで押して照明をつけ、そのまま付けっぱなしになってしまうこ
とです。タイマーのONボタンは極力使わないことを自分に義務付けましょう。(私は何回もやってしまいました。)
タイマーを使うこと自体は絶対賛成です。消しっぱなしより、つけっぱなしの方がはるかに危険です。
最近はホームセンターなどでも、¥1000もしない安価なリーベックスさんなどのタイマーがあり、私も多用させてもらっています。

※他、蛍光灯、メタハラなど器具についての記事は飼育器具のコラムにも詳細な照度測定結果などがありますのでご参照願います。

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●ろ過システム 

  ※→こちらにろ過システム専用のページもできましたので、ご参考にして頂けますと幸いです。

(好気的な)ろ過方式の選択

 好日性サンゴは給餌が原則的に不要で、死亡さえしなければ水をほとんど汚さない動物ですので強力なろ過システムは基本的に必要としません。
 ただ、それでも水は普段から正常に保つ必要があり、また部分的に死亡しだすと、細菌によって犯され連鎖的に最後はその個体が全部死んでしまうこともよくあります。
それを引き起こす可能性は水中の細菌数も大きく関与していると思われ、また一旦腐食が始まると水中にはそれによる細菌が増加します。これらを常に水中から取り除
くためにもフィルターの物理的な安定と精度も大変重要であると考えています。

 以下、サンゴを中心とした水槽での、お勧めのろ過方式を紹介します。
ご存知の方も多いと思いますが、普通の好気のろ過器(方式)には、上部フィルター、底面フィルター、密閉式フィルター、オーバーフロー式、あるいはそれらの掛け合わせ、
併用など色々な種類があります。実際にはどれでも飼育が可能ですが、サンゴを飼育する場合、照明の点で水槽の上部をできるだけふさがず、そして水流の作りやすい方
法が有利です。その点、例えば魚の飼育には有利な上部フィルターは不可能ではありませんがやや不適です。

 また、これはあくまで当店なりのことですが、魚水槽とサンゴ水槽のろ過システムの基本的な方針の違いがあります。

 サンゴ水槽と魚水槽のろ過の方針の違いは、魚水槽はできるだけ人為的・物理的にヨゴレを除去できる方法をとっているに対し、サンゴ水槽はヨゴレの発生がすくないとい
う前提で、底面等の動物にまずできるだけ分解させ、最終的な僅かな沈殿物だけを物理フィルターに最低限かけるということがあります。

 もちろん、以下以外の方法や魚飼育ガイドに掲載しています方法でも飼育は可能です。ただ、無脊椎水槽ならではの海藻やノリ状・糸状の藻類、貝類や不明な生き物、イ
ソギンチャク等によるストレーナーの詰まりトラブルが、案外どころかかなり多く、これを防ぐためできるだけ各フィルターの吸い込み口(ストレーナー)というもの自体を使わない
ようにするという意味もあります。底面フィルターから水をあげていれば、これらのトラブルはまずありません。
 

 これらを踏まえまして、以下にサンゴ飼育にお薦めセッィング例をご紹介します。

ろ過方式1.底面フィルター (パワーヘッド+エアーレーション) 

 サンゴを飼育する場合、他の条件さえ合わせられるなら私が最善と考えています方法です。当店でも、この方法またOF式でも同様の方法を応用したシステムです。
※図中のスポンジマットは必須ではありません。使用した方が濁り除去能力が高いです。以下の他の方法では記述を省いているものもありますが、同様です。
 パワーヘッドが水流とろ過の両方の役目を兼ねており効率的です。水槽の上面もふさがず、またろ過能力の安定が極めて早く、その容量も大きいのが特徴です。
サンゴ飼育における底面フィルターの使用は、特にサンゴ第一に考えて魚などをごく少なく控えるほど、底面フィルターの長所を生かし短所が目立たなくなる方式です。
底面フィルターの欠点は、一般的に砂がめづまりしやすい、底面にゴミが溜まりつづけることですが、エサを与える生き物がもともと少ない水槽であれば、これらの欠点はあまり
問題ではなくなります。また、海水の無脊椎水槽の大きな特徴として魚水槽や淡水と違い、10番以上のサンゴ砂を用いると、砂の中にヨコエビなどの微生物が繁殖し、砂
の目詰まりをなくし、常に水槽底部に沈殿物を落としてくれる作用があります。(これはエサを与えて居なくても徐々に溜まってきますが、特に問題にはなりません。)
 本来ソフトコーラルもハードコーラルも、魚の飼育は極力控えた方がよく、それに沿って飼育するなら、これ以上、確実なろ過能力があり効率的な方法はいまのところ無いと
考えています。
 また、なんらかの理由でフィルターの下を掃除しなければならない必要が生じた場合、水槽の中を全部出す必要がありますが、その後空運転での安定、水の透明度回復も
大変早く、ほぼ1日で最低限のろ過能力が戻ります。これはポンプの吸水方向・力によってろ材に細菌が定着しやすいためと考えられ、他のフィルターでは見られない安定の
早さです。水槽のサイズに関わらず、使用ができます。
 ただ、これはあくまで後述の、当店が長年主力にしてきました還元ろ過がある前提で、これが無い(一般的な状態の)場合には、硝酸塩濃度を低下させることを最優先に考え
たベルリンシステムなどの方がいいという考えかたもありえると思います。 

    
例 (2006年頃) 120*45*45cm水槽 底面フィルターの上に3cmのウレタンろ材、小豆大サンゴ砂を敷き、中央の奥に底面フィルターに接続した
毎分13Lのパワーヘッド(RIO800)がついています。右の側面つけているのは補助水流追加用のRIO180です。
(当店の過去在庫水槽)この状態で2年間掃除は行わず、水換えは入荷・発送で増減した分を調整した分のみでした。(1ヶ月、1割程度)   

他、上記水流の項目で
水流の強すぎ、ポンプのつけすぎにご注意ください!で紹介した水槽も同様の方式です。

ろ過方式2.底面フィルター2(ワンタッチフィルター+エアーレーション) 

 BL-EXTRA-1初心者向けスタートガイドブックでも掲載しておりました方法で、上記1.の底面フィルターのポンプの代わりにワンタッチフィルターを用いたものです。
特にワンタッチフィルターと相性のいい60cm規格水槽でお薦めです。
60cm水槽の場合、できるだけ流量の多いもの〔毎分10L以上、もしくは複数台使用)を使用しましょう。ワンタッチは流量が多い割りに比して、起きる水流がパワーヘッドより
弱いです。
 。大きな
水槽で使用しにくい場合が多いワンタッチフィルターは、できればポンプ本体が水の外についたものを使用すれば、ポンプの熱が水中に入ることも少なく好ましいと思います。
この方法の特徴は、ワンタッチフィルターは簡単なウール等のろ材を備えて居ますので、最低限、底面を通り抜けた細かいオリやゴミを、ワンタッチフィルターでトラップし、除去
ができる点です。 これは、次項の密閉式フィルターとの併用でも同じ意味です。

 
(左)60*30*36cm水槽で底面フィルターの上に3cmのウレタンろ材、小豆大サンゴ砂を敷きワンタッチフィルターを接続した例です。
(右)実際に使用しているワンタッチフィルター(テトラOT-60)です。水槽のフタをあけずに、フィルターで冷却ファンが使用しやすいのもメリットです。

ろ過方式3.密閉式フィルターを利用した方式 

 上記、ワンタッチフィルターを用いた方法・原理をさらにパワーアップしたような方法です。魚などがやや多く、汚れの発生が多い場合に有利な方法です。
ただ、密閉式フィルターには少し欠点もあり、まずウールなどを用いた物理ろ過をすると、必然的に目詰まりを起こして流量・水流が弱くなってしまいます。だからといって、ウー
ルではなく10番以上の荒いサンゴ砂だけを入れて生物フィルターとして使用するのでは、わざわざ外部にフィルターを設けて、物理ろ過で汚れを取りだせる機構を設けた
意味がありませんので、どうしてもこのジレンマが発生することになります。そこで、密閉式フィルターを用いた場合は水流の変動をふせぐために、できるだけ定期的・マメに
物理ろ材の清掃を行ったほうがいいでしょう。
 またもともと付属しているシャワーパイプは、固定はしやすくて良いのですが、パイプの口から直に放水するより水流が弱くなるもので、本来、あまり効率的とはいえません。
できれば、放水口から直に水槽に放水するセット方法をとったほうが、同じ流量でも強い水流を起こすことができます。

ろ過方式4.ベルリン式

 この方式は、これまでの物理・生物濾過層を使用せず、できるだけ強力なプロテインスキマー(以下スキマ−)のみを用いて予め汚れを徹底して取り除き、あとはライブロック
のもつ生物ろ過能力を利用して普通の好気的なろ過と、硝酸塩を除去する還元ろ過を行う方法です。
 ベルリン式ならではの特筆的な利点は、普通は生物のみならず、ろ材のサンゴ砂などからも自然に発生しやすいリン酸塩を低く保ちやすいという点です。そのため、ミドリイ
シなどSPSの飼育に大変特化的な方法と考えております。
 逆に、上記
水質A 硝酸塩濃度とリン酸塩濃度でも触れましたように、LPSではかえって飼育がしづらくなるものもあるため、LPSやソフトしか飼育しないのであれば、あえて
この方法を取られるのはやめたほうがよいと考えます。 
 有機物の除去をスキマーだけにほぼ頼っているため、これは強力なものほど好ましく一般的な各スキマーの通常の水槽での使用容量の3〜4分の1程度で使用する必要が
あります。すなわち、通常の使用法(ろ過の補助などとして使用する場合)なら400L程度の対応のスキマーならベルリン式では100Lほどの水槽で使用する必要があるとい
うことです。 (スキマーには、エアーリフト式、ベンチュリー式、ディスパーセレイター式、ベケット式など種類がありますが、ここでは割愛いたします。)

 この方法はミドリイシの飼育に特化的と申しましたが、ミドリイシの飼育自体が初心者向けと言いがたい上、この手法ははじめて飼育される方にはあまりお勧めできかねる
方法と思います。以前はベルリン式でなかなかうまく行かないという方の相談を数多く受けました。ゆえに、当方などはどうしても慎重派になります。
 好気的な生物濾過器というものをはずしてしまうと、たとえば水槽内で生物が死亡したりして水質が急変した場合、ライブロックだけでは浄化が間に合わず下手をすると水
槽内の生物を全滅させてしまう可能性が高くなります。
 当方でも以前、ベルリン式の水槽でスキマーが小さいことも原因の一つであったと思われますが、充分に安定した状態でも、入荷したミドリイシが1個死亡したとき、残り9
割の個体に影響を与え、巻き添えにして死亡してしまったことがあります。

 他、添加剤も水槽内に投入しているもののうち、サンゴや有効な細菌にしようされる前にスキマーで除去されてしまう部分も多くカルシウム値なども下がりがちになります。
また、物理的フィルターが無いことは糸状の藻類、コケの発生も招きやすい面があります。
 立ち上げに関して ライブロックのキュアリングが十分でないと最初の立ち上げ時に失敗し、いつまでも水が汚れた状態が続いてしまいますので、この方式を採用される際
は、十分にキュアリングがされたライブロックを使用されることをお勧めいたします。
 ライブロックは、キュアリングが充分に行われていれば水槽立ち上げ時から最低限の安定を得ることができ、水も透明になりますが、これはフィルターがある場合にくらべて
弱い安定になりますので、くれぐれも特に最初は生体を入れ過ぎないように注意が必要です。ライブロックの硝酸塩処理能力を超えない範囲で水槽を維持することが大事です。

5.他

他、OF式などについては、魚類の飼育と同様の方法をとりますので、海水魚飼育ガイドをご覧下さい。

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還元ろ過/カルシウムリアクターBOXの使用

 当店の商品名ですみません。以前は商品宣伝を避ける意味で、遠慮しておりましたためかえってわかりにくくなっておりましたので、この欄だけは商品名で失礼します。
還元ろ過BOX/カルシウムリアクターBOXを販売しているため、セールスと取られても仕方がありませんが、実際少しでも安価に飼育を楽にするために開発したものです。

 還元ろ過を用いると、今までの飼育法では水中にたまっていく硝酸塩を、無害な窒素ガスとして空気中に発散させることができるため、基本的に水替えが不要になります。
微量成分などは割合的に不足してくるため、補給しなければなりません。
 海水交換だけで成分を補給・維持しようとしても、交換した割合しか補給されないため、必然的に不足状態となり、部分的には添加剤をもちいる必要があります。
その意味でも、還元ろ過+添加剤による飼育が安価でもっとも効率のよい飼育方法といえると思います。

 ただ、あまりにも長い間全く水を変えずにいますと、水槽内のイオンバランスが崩れていく可能性も考えられますので、3ヶ月に1度に約半量、もしくは1ヶ月に1度1/3くらい
の水替えはお薦めします。

 あと、カルシウムリアクターBOXも一緒に記載をしておりますが、カルシウムリアクターBOXに限らず、ハードコーラルを飼育する場合は前述しましたようにカルシウムリアクタ
ーは使用したほうがよいと思います。その意味で、カルシウムリアクターBOXであれば還元ろ過とカルシウムリアクター効果の双方が極安価に手に入りますので、よい方法で
はないかと思います。

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プロテインスキマーの使用の有無

 プロテインスキマーとは、簡単にいいますとアワに有機物が付着する原理を利用して、水中から溶解しかかった有機物を除去するもので、水を汚す生き物が多い水槽では大
いに力を発揮します。ただ、昨今ではサンゴ飼育にはプロテインスキマーの使用がほとんど常識や必須のように言われておりますが、少なくとも、上記の方法では無くても全く
問題なく飼育可能です。 当店でも、2014年6月現在、養殖サンゴ、他でも事務所内で一台も動かしておりません。(ただ、その代わりに還元ろ過を多用しています。)
 サンゴ水槽で魚やエビなど、エサを与え、水を多く汚すような生き物が多い場合には設置を検討するといいかと思います。実際、そういう水槽が多いため、使用しておられる方
が大半です。
 ただ、やはりサンゴのことを思うなら、プロテインスキマーが必要になるようなこれらの生き物は収容をできるだけ控えることが成功の秘訣です。
 
他、プロテインスキマー設置の意義は、こちら飼育器具のガイドの該当部分をご覧下さい

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水質維持・管理方法のまとめ 

 前述までの水質やろ過・プロテインスキマー・還元ろ過などの解説を今一度短くまとめ、もっともお勧めな器具の利用、管理方法を端的に以下のまとめます。

・サンゴがソフトコーラルのみの場合

  方法1.還元ろ過と、総合的なミネラル添加剤を用い、あまり海水を換えずに飼育する。(2ヶ月に一度半分程度の交換がおすすめ。)
 方法2.2週間に一度程度、半分程度の水換えを行っても飼育は可能。

・ハードコーラルを含む水槽の場合

 方法1.還元ろ過と、カルシウムリアクター、総合およびハードコーラル用の添加剤を使用し、あまり海水を換えずに飼育する。(2ヶ月に一度半分程度の交換がおすすめ。)
 方法2.(還元ろ過を用いず)水換えだけで管理したい場合、魚を極力控えプロテインスキマーの併用を行う。SPS等特に敏感な種でなければ十分飼育可能。ただし水換え
      だけでミネラル成分維持は難しいので、添加剤を併用し、水換えの量に応じた添加量を用いる。ただ、カルシウムリアクターで供給される成分(カルシウム、炭酸水
      素イオン(≒KH)、マグネシウム)を添加剤だけで維持するのはかなり手間とテクニックが必要なので、いずれにせよカルシウムリアクターは用いた方がいい。

・上記で、魚が多く、与えるエサの量が多い場合

  プロテインスキマー、または還元ろ過の併用、または強化を行う。

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●飼育上の注意点

魚との組み合わせ(重要)

 サンゴを飼育する水槽で魚もたくさん入れたいというご希望はあって当然ではありますが、多々問題点があり、特にLPS系ハードコーラルと飼育するものは種類・数を限定
すべきです。
「サンゴと一緒に飼えない魚が多い」というイメージはなく「安全に一緒に飼える魚は極一部である」という認識が重要かと思います。
 
ただし、まったく魚類が居ないとヨコエビなどの小さな生物が昼夜をとわず横行し、サンゴを害しますので約50〜100Lにつき、最低1匹はなにかの魚を収容しましょう。

 ・サンゴと魚の同居の問題点

  @魚の遊泳・・・・・・魚が泳ぎまわることでサンゴに接触し、双方に悪影響があります。大きく、元気な魚は基本的に向きません。
              通常、これらの魚を入れば入れるほど、サンゴの開きは悪くなります。 
  A魚の病気・・・・・・サンゴ・無脊椎水槽では魚の白点・ウーディニウム病などの確実に治癒できる治療薬は基本的に使えませんので、病気にかかりやすい魚は避けた方
              が懸命です。
  B食害の問題・・・・魚がサンゴをつついたり、食べることでの問題です。

  C水質悪化・・・・・・魚がおおければ、必然的にエサが多くなり、水中の硝酸塩などが増えやすくなり、結果コケの増殖も招きやすくなります。

 ・サンゴとの同居に特に避けるべき魚

   ・チョウチョウウオ・ヤッコ・ハギ・ハコフグ・フグの仲間・・・白点・ウーディニウム病などの病気にかかりやすく、上の@〜Cをすべてはらんでいます。
   魚専用水槽のように薬品を入れて治療でませんので控えた方が懸命です。また、これらの多くがサンゴを食害することも問題です。
  ・クマノミ類・・・特にハナサンゴ、ハナガササンゴ、ナガレハナサンゴなどのLPS類にはイソギンチャクへの共生(寄生)同様に入ろうとする習性があり、これをされると
   サンゴは非常に悪い影響を受け、長期的・短期的にだめになってしまう場合が多いです。クマノミ類はこれらを飼育している水槽には基本的に飼育は控えることを強くお
   勧めします。
  ・キイロサンゴハゼなどコバンハゼの仲間:常に生きたサンゴの上に乗ろうとする習性があり、まずスリバチサンゴにとっては天敵です。またハナガサ、ナガレハナなど長く
   ポリプを伸ばすサンゴにとっても大変有害で、最終的に弱らせて1個づつ死なせてしまいます。小さな魚ですが、これらLPS系サンゴの水槽には絶対入れないようにしま
し   ょう。SPSでは、元気な時はOKですが、不思議なことに弱った個体ほど擦り寄って殺してしまう傾向があります。 

 ・サンゴに害の少ないお勧めの魚種

   全長〜7cmまでの遊泳型・底棲性のハゼ、クレナイニセスズメなどの小型のニセスズメの仲間、ヨウジウオの仲間、マンダリンフィッシュなどネズッポの仲間、小型のベ
  ラ程度です。やはり    

 ・魚との同居に向くサンゴ

   まず、ハードよりソフトの方が色々な意味で丈夫で鈍感であり、向いています。また、以外にSPSは上記の@、Bには強く、水質さえ維持できるなら以外に向いていると
  考えています。(したがって、サンゴの中で魚との同居を一番注意すべきは、概してつつかれるショックなどで縮みやすいLPSであるといえるでしょう。)
   LPSの中でも比較的向いた種を上げますと、バブルコーラル、パールコーラル、アザミサンゴ、タバネサンゴなどです。ただ、これらでも個体差きまぐれでつつかれるもの
  もおります。

 ・魚の影響を特に受けやすいサンゴ

  ・特にヤッコ類に食害を受けやすいサンゴ:オオバナ、コハナガタ、アザミハナガタ、ハナガタサンゴの仲間
  ・魚の遊泳被害、クマノミによる寄生を受けやすいサンゴ:ハナガサの仲間、コエダナガレハナ、ナガレハナ、ハナサンゴ(他ポリプを長く伸ばす種)  

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藻類・コケ関連対策について

水槽には不要な藻類、いわゆる通称「コケ」※ここでは”コケ”を使います。本項目ではそれに対する対応策を記載しております。
また、
こちらに専門のコーナーを用意しておりますのでご覧下さい。(リンク切れ復旧しました。すみません。20017/3/21)

水槽の照明の調製

 水槽の照明の照射時間・強さは、コケの発生に直に影響します。長く強いほど生えてきます。水槽の照明時間はできるだけ8時間程度にしたほうがいいでしょう。
あと、水槽の壁面にコケをできるだけ生えさせないためには、壁面に直接光があたらない(透過しない)ようにするための方法として、照明はスポット型のLEDなどを用い水槽
の少し前部から底面だけを照射するようにすると効果的です。

周囲の光も重要

よくリビングなどに水槽を置いている場合、朝に電気をつけて、夜遅く消すことで、照明時間自体があまりに長すぎる場合、また、水槽の電気を消しても部屋の電気が遅くま
でついている場合が長いと、段々とサンゴが不調になる場合もあるようですので、その場合は水槽にカーテンやついたてをつけて、夜は出切るだけ真っ暗にするようにした
方が良いようです。 水槽のライトの照射時間が短くても、水槽を置いている部屋の照明がついていたり、水槽のライトと差し込んでいる自然光の時間差があって結果として
水槽に弱い光でも当たっている時間が長いとコケや藻を発生させてしまうようです。岩やガラス面に薄くへばりつくコケはともかく、糸状の藻はどうやら有害物質も出している
らしく、生えてくると明らかにサンゴの状態が悪くなります。水槽に何らかの照明が当たっている時間は、合計12時間以内が良いでしょう。 

コケ防止剤は注意

 無脊椎動物の水槽でも使用できるというコケや藻類の防止剤が発売されていますが、当店のこれまでの経験、およびお客様から頂いた情報では、これらを使用してサンゴ
やイソギンチャクに直積的に良い反応が出たことは一度もなく、よくて無反応、悪ければ不調になって死亡するというものです。
 先日もあるお客様より連絡をいただき、BL5号に記載しておりました今年2008初頭から飼育し、この9月末頃まで元気にしていた約30cmのセンジュイソギンチャクがアンチ
レッドという藻類防止剤を使用したところ3日目に明らかな不調を呈し、その後死亡してしまったということです。ただし他のイソギンチャクで、大丈夫であったという情報も別途
伺っております。どちらにせよ、藻類に悪影響を与えるものですから、褐虫藻にも少なからず影響があることは当然と思われます。
 また当店自身では以前ニッソーの無脊椎水槽用のタブレット状のコケ防止剤をサンゴ水槽で使用したところ サンゴの色が数週間でどんどん薄くなってしまい100%水換え
を2回してようやく留まった、という経験もあります。
私見ではありますがサンゴやイソギンチャクの体内にいる褐虫藻は、植物プランクトンの中でも比較的(コケなどより)デリケートなもののように思われ、コケが消えないのにサ
ンゴの色だけは抜けてしまった、ということもあるようです。
 他の製品では無害であるものもあるかもしれませんが、現時点では概してこれらコケ防止剤はサンゴ・イソギンチャク水槽ではなるべく使用しないことをお勧めいたします。

対策・・・ろ過・サンゴモエビ・コケトリ貝・ヤドカリ・フタイロカエルウオ・ヤエヤマギンポなど  

  水槽には色々な藻類やコケが生えてきます。特に糸状の藻は最終的にサンゴを包み込んで死んでしまうこともある上、非常に毒性の高い有害物質を体内に含むダイノス
 と言われる藻だけでなく、どうやら有害物質を放出している様子があります。理由はこれらが生えてくるととたんにサンゴが不調になるからです。
 当店も開店以来何年も悩まされましたが、あるときからほぼまったく生えなくなりました。
  これらの藻類は、水質では栄養塩が多く、光が強いほど発生しやすくなるのですが、それ以上にろ過システムが重要なカギを握っており、物理的なろ過能力が高いことが
 藻類の増殖の抑制に大きく関わるようです。

 

機関誌BL5号で実験をしました3水槽の、コケが生え始めた際に撮影した写真です。大きな違いが見られました。
ろ過+還元式はもっともリン酸塩が多く、水槽の壁面に緑色のコケが発生し、
水質ではもっとももっともリン酸塩が少ないベルリンに最初に糸状の藻類が見られました。

  これらコケや藻類を食べる生物もかなり種類が多く、いずれも有効な対策になります。こちらに専門のコーナーを用意しておりますのでご覧下さい。

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他の有害生物・対策 

 ここでは、水槽に発生する色々なこまった生物と、それを駆除してくれる生物、方法を紹介します。 

カーリー

  無脊椎水槽には、カーリーと呼ばれる茶色で1〜4cmくらいの触手の先が尖がった如何にも気味の悪いイソギンチャクの仲間が増えることがあります。
 数種がいるるらしく、セイタカイソギンチャク、チギレイソギンチャクなどが該当しているようです。
(似たようなもので、触手の先が丸く、蛍光色ののっている綺麗な物はちがいます。)これは魚が触れると死んでしまったり、人でも指を刺されます。また、水槽内でできること
程度では何をしても死なないという生物で、熱湯を吹きかけてもマラカイトグリーンの原液を注入しても死なず
除去しようとしてちぎればすべて増えると言うこまりものです。

 1.ペパーミントシュリンプ および 国産アカシマモエビ

  強いカーリーにも天敵がおり、カリブ便で輸入されるペパーミントシュリンプと、国産の酷似したアカシマモエビという3〜5cmの赤いエビ(¥1500程度)が食べてくれます。
おなかが減っているとラーメンをすするようにものすごいスピードで食べてしまいますが、エサを与えていると食べない場合もありますので除去させたいときは少し控え
めにしましょう。特に岩が多く、カーリーが発生しやすいサンゴ水槽には、1匹はほしいところです。

  
(カーリー:正式名チギレイソギンチャク、セイタカイソギンチャクなど)    カーリーにかかっていくペパーミントシュリンプ

 2.専用の駆除薬・カルシウム添加剤による駆除(BL5号 実験と発見に掲載した内容です。)

  昨今では専用薬が市販されており、また一般的な無機系カルシウム添加剤 を注射器などでカーリーの体内にカルシウムの添加液 を直接注入すれば、ほぼ殺すこと
 ができます。 大きな個体は 2回くらい注射しないと死なないものもおりますが、 他の方法よりは大ダメージを与えることができます。
 ※ちなみに当店では、以前マラカイトグリーン、塩、熱湯吹きかけなど色々な方法をためしましたが、めだった効果がありませんでした。

 3.上記の対処が出来ない場合

 とりあえずの他の対処法として、その岩を取り出して、流しなどでその部 分をドライバーの先などでカーリーを岩ごと削るように突き崩し、その部分だけを うまく淡水でよく洗
 い流します。そしてすぐに水槽に戻せば石灰藻も ダメージを受けますが全滅にはならないと思います。水中でつぶすと無数の個体ができてしまう恐れがありますので注意
が必要です。

ヒラムシ

LPS系ハードコーラルの特にハナガサ、ナガレハナ系サンゴなどに、ヒラムシと呼ぶ1〜2mmくらいの茶色のチョウチョウのような形をした非常に平たい生き物が多数つくこ
とがあります。これは、いきなりサンゴが死亡するということは無いのですが、だんだんと増えてきて最終的にサンゴの表面を被ってしまい、ついにはサンゴが開かなくなって
死んでしまいます。幸いこれはサンゴを淡水の中で軽く振るにつけることで綺麗に除去することができますが、十分な注意が必要です。
まず、多くの種類
で絶対に連続で15秒以上淡水につけてはいけません。もし最初の15秒で除去しきれない時は、海水に30秒程度つけなおし、あらためてもう一度淡水浴を
おこないましょう。
また例外として、SPS、コエダナガレハナのコロニー(単体)タイプ、アワサンゴの仲間は絶対に淡水浴をしてはいけません。組織が弱いため、僅かな時間でも確実に死んで
しまいます。 これらの種の場合は、サンゴを水槽内に入れたままにして、淡水を入れた容器を水槽の上におき、エアチューブなどで淡水を水中で「サンゴの本体部分ではな
く、伸びているたポリプだけ」にゆっくりとかけ、ヒラムシを剥がすという方法をとります。あるいは、少し手間がかかりますが、サンゴを小さな透明の容器や別水槽に海水ととも
にいれ、照明も与え、エアーレーションを行いながらサンゴが開くのを待ち、ここでできるだけ落としてしまうようにします。
生物では、マンダリンフィッシュの仲間が多少は食べてくれるようなのですが、個体差も多いらしく、食べない、効果の見られないものも多いです。
また、ブルーシースラッグという美しい青いウミウシがこれを食べてくれるのですが、残念ながらこれの飼育自体が難しく、実用的とは言いがたいようです。
 もっとも有望なのは、ニセモチノウオという3-4cmの小さなベラで、これはまさしくサンゴにとってベストパートナーといえる魚ではないでしょうか。ヒラムシの牽制にかなり効
果があるようです。あまり食べている様子は無いのですが、本種を収容すると、ヒラムシが岩やガラスの壁面に隠れて出てこなくなります。また、水槽をあまり横行すると困る
 ヨコエビも、ベラである本種の好物ですので大変強い牽制力があります。また、これは他の方に教えていただいた事ですが、シャコ貝に湧いて血を吸う非常に小さな巻貝も
駆除してくれるそうです。 

ウミケムシ

 ウミケムシはゴカイの仲間で、細長い身体に非常に細かな繊毛のような足が生えている生き物です。上記の写真は太短い個体ですが、もっと長い場合もあります。
大きさは、数mm〜大きなものでは水槽の中でも10cmくらいのものまでいることがあります。
 この繊毛のような足には毒があり、生体はもちろん、人間でもかるく触れただけで毒毛が乗り移るように刺さります。 
実際には害虫だけではなく、砂の間を掃除してくれる益虫ともいえますが、明らかに大きなものは見つけ次第、ピンセットなどで摘み取るか、岩ごと出して駆除しておくことを
お勧めします。隠れるのが上手で、すぐに岩の中などに入ろうとします。
よくあるケースが、ライブロックなどを取り出そうとして岩のその裏側におり、見えないところで手に触ってしまう場合です。ですからあまり見えない場所を掴むことは避けた方
がいいでしょう。人間にたいしての毒性は他の海の恐ろしい生物毒に比較すればたいしたことはなく、刺さった瞬間、「イタタ!」と痛みを感じ、その後数日間、触れた部分が
痛痒い症状が続きます。
 私の場合の対処ですが、触って皮膚に毒毛が刺さってしまった場合、まずタオルで一方方向に軽く拭いて水分を出来るだけ取り、そしてガムテープや梱包テープの粘着部
分で一方方向にこすって取り除くようにしています。通常、当方ではこれだけですが、もし痛みがある場合は次に消毒と、これはタンパク質性の毒であると思われるため、少
し熱めのお湯に患部を1分ほど浸して、成分の分解(失活)を促すと良いと思います。最後に、ステロイド系などの軟膏などを塗っておくと良いでしょう。

コシダカナワメグルマガイ 2014/3/18 

本種はマメスナギンチャクを食べてしまいますので、見つけたら
とってしまいましょう。時々マメスナについている場合があります。
直径1cm未満で、口がとんがっています。

ミノウミウシの一種 2014/3/18 

スターポリプに良く似たウミウシで、スターポリプをたべてしまいます。放っておくと
どんどん増えてしまいますので、見つけ次第除去しましょう。
(当店では昔、スターポリプが全滅させられました。)
取りかたは、スターポリプを岩ごと海水と別の容器に入れ、ピペットなどで本種だけを
吹き飛ばしてしまうようにします。

ムギガイ 2017/3/21

 
              (右)スターポリプの表面に付着するムギガイ

 大きさ主に数mm〜1cm未満の細長い、小さな赤いマキガイです。
この貝は天然にも無数に、また普通に水槽にわずかにはいると思われる貝で、いきなりサンゴをどんどん食べるということは無いようですが、数が増えてきますとあきらか
にサンゴの表面に寄生し、表面の組織また粘液を食べているようで確実に被害を与えます。主に夜間に行動し、昼間は特に今現在、日々食べているサンゴの石の裏側、
砂との間などに隠れているようです。(写真下は例です)

 また、被害をもたらす種が限定されているようで、現在当店で寄生がみられましたのは、スターポリプ、マメスナギンチャク、ナガレハナサンゴ、ミドリイシ類です。同じ水槽
にはウスコモン、ウネコモン、ハナヅタブルー、茶色のウミアザミがありましたが、これらには寄生しませんでした。ほかは現在まだ未確認です。 

対策

 まず、ムギガイは見つけたらとにかく手で除去してしまうのが一番ですが、非常に小さいものもあるので注意がひつようです。石を容器の角にあてて、コンコンとあてるとポロ
ポロと落ちることがあります。
 水槽にあまりに増えてしまった場合は、一度すべての生き物を出して、当方の方法では水温43℃10分程度の高水温状態にすればすべて殺すことができました。
 ちなみに淡水につけるだけでは1日つけても多くが生き延びるようですので効果がありません。
 また、普段からの対策として、これらは昼間はせまいところに隠れる性質がありますので、上記のミドリイシの裏側のように穴をみだりにもうけず、あればボンドなどで塞いで
しまうのもひとつであること、そしてこの貝は、細かい砂にはもぐれないようですので、底砂を3番以上のこまかいものにしておけば、隠れることができないので有利と思いま
す。明確な理由はわかりませんが、ほかのさな生物(ウミケムシ、ヨコエビなど)でも、これらせまい隙間に住み、また隠れようとする生物は、これらのせまいスペースがない
と増える数が非常に抑えられるように思われます。

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サンゴへの給餌は原則不要

 サンゴへの給餌は論議の分かれるところです。光合成をしない陰日性サンゴには必須ですが、当店では多くの光合成をするサンゴでは与えないほうが良いという結論をも
っています。給餌自体が、サンゴのストレスになっている場合があるということと、摂食後、吐き出すものがサンゴの組織に腐食を起こす原因になったり、水を汚すということで
す。また、光合成と添加剤によるミネラル分の補給だけで充分に成長することを確認しております。  
 現在のところ、一般種で給餌が必要と思われるのは、ソフトコーラルのイエローポリプくらいです。そのほかでは当店の養殖ソフトコーラルも開始した2012年末〜2014年現
在まで、原則的に給餌はしておりません。

 下の写真は当方の過去の実験水槽のひとつですが、左の写真が2005年5月ごろ、右がつい先日2006年3月当初の写真です。
オオバナレッドとコハナガタを継続的に飼育しておりましたので、成長によるの差が確認できました。
 他の種は、移動したりしたものもありますが、ほぼすべての種が給餌しなくとも十分に成長が見られます。

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サンゴ同士の接触にご注意

 サンゴは基本的に同種以外は接触をすると刺胞でどちらかが傷ついてしまいます。また、特に一部のハードコーラルは他のサンゴを攻撃する専用のスイーパーポリプという
長いポリプを出す場合がありますので、十分に注意が必要です。
 そのなかで、サンゴの種で近縁・また例外的に大丈夫な組み合わせがあります。当店で確認しているものを報告させて戴きます。
 この他は基本的に避けた方が良いいです。たとえばコハナガタとオオバナなどは、お互い昼間の膨らんでいる風船のような部分が触れるのはなんともないですが、夜間に
出すイソギンチャクのような触手は毒性が強く、触れると良くないと思われます。ソフトコーラルも一見毒性などなさそうに思いますが、表面に粘液毒がありチジミトサカでもミド
リイシなどを溶かしてしまいます。

 接触しても大丈夫な組み合わせ

@ナガレハナ・コエダナガレ・ハナサンゴモドキ

 ナガレハナサンゴ・コエダナガレハナサンゴ・ハナサンゴ(モドキ)※は接触は大丈夫なようです。※ハナサンゴには、ハナサンゴとハナサンゴモドキがあり、前者はポリプの
先端が球体で、ポリプが細く、長く伸びている印象のもの、そして後者はポリプの茎が比較的太くてイソギンチャクのような形状のもので、ポリプの先端が若干平べったく潰れ
た形状ですが、判断は難しいと思います。一般的な普通のハナサンゴ(前者)の方が流通が多いようですので、できるだけ他の種類とは接触しない方がよいでしょう。長く細
いポリプがスイーパーポリプであるように思いますので、特に注意が必要です。あと、オオナガレハナサンゴ(トランペットコーラル)は近縁種ですが、刺胞毒が強いのでこれら
との接触は不可能です。


ハナサンゴには刺胞毒の個体差、またハナサンゴ・ハナ
サンゴモドキという近似種があるようです。 
 
ナガレハナ、コエダナガレは接触してもなんら問題あり
ません。

Aハナガササンゴ・アワサンゴ・スリバチサンゴ

  ハナガササンゴとアワサンゴは同じハマサンゴの近縁種であり、大丈夫です。スリバチは当方が実験したのは、オオスリバチだけですのでご注意ください。

Bバブルコーラル・パールコーラル(オオハナサンゴ)

  これは極近縁種ですのでまったくOKです。

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無脊椎水槽での白点・ウーデニウム病

 これは正直こまります。最大の対策は、無脊椎水槽で白点になりやすいような魚を飼わないことです。また、大きな魚はもともと特に敏感なハードコーラル特にLPSなどとの
同居にむきません。
ただ、ウーディニウムは殺菌灯で対策でき、そして白点病はオゾンを極めて有効に使用した場合、改善される事が実験で分かってきましたが、白点病の
方は確実ではありません。
(これは、こちら飼育器具のコラム、また機関誌BLで分かり次第ご報告いたします。)
 また、こういったオゾンや殺菌灯のお陰のみで病気が防げているという状態の水槽も最近は多く、これらの器具を停止したとたんに病気が出てきてしまうという、水槽内の生
体バランスやメインのろ過システムよりこういった補助的な周辺機器に生体の命がかかっているという状態がよくあるようです。これは機器が大きな効果を果たしているという
事ではありますが、本来の水槽の有機的な安定をなしえていないという点では、やや不安と懸念が残るような気もします。

 普段からの対処法として、陰日性サンゴなど高水温に弱いサンゴが入っていない水槽に限りますが、現在白点病にかかっている魚が居ない状態で、水温を28℃にして1
週間程度をおけば、水槽内に潜伏している白点虫の数を減らすことが出来ます。遊泳型のハゼなどは白点に強いですが、知らない間にかかっている場合があり、水温を上げ
るだけで治ってくる場合があります。
 水温26℃程度では、本来、魚に寄生できなかったら時間とともに死ぬといわれている白点の仔虫が死なずにどんどん溜まっていっている可能性があり、これが水温を上げ
ることで代謝が激しくなってエネルギー不足になり、やっと死んでいくということでは無いかと考えております。

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サンゴの色抜けの原因と対策


(上記はお客様から頂いた写真です。)

 特にLPSのオオバナサンゴなどでしばしば見られる、サンゴの褐虫藻が抜け、色がだんだん薄くなってくる色抜け現象があります。
この原因と思われるものを以下に列挙足します。

・光が強すぎる

 メタハラやLEDスポットライトの強いものの下では、あまりに強すぎる場合があります。ただ、少し離して徐々に慣らしていったものはそれに対応できる褐虫藻になるためか、
 耐えられるようになる場合もあるようです。

・添加剤(ミネラル)が濃すぎる

(総合)添加剤には規定量がありますが、実際は水槽にあるサンゴの數やスキマーの有無などで調節する必要があります。
多くの添加剤は、基本的に規定量では天然海水にくらべ、安全に配慮されているためか、薄い場合が多いです。ただ、稀にサンゴが少ない水槽やソフトコーラルのみでは規定
量では多すぎる場合があるようです。この場合、少し控えてみるといいでしょう。
ただ、これも慣れがあり、徐々に濃度をあげていくと適応できるようになることも多いようです。 

・鉄分の不足 (新項目です)

 これは、2014年更新版で追記した部分です。上記ミネラルが濃すぎるということと一部反しますが、鉄分が不足すると赤い色が維持できなくなることがあるように思われま
す。当店でウスコモンサンゴのレッドの個体を飼育・養殖する中で、色がだんだんと薄くなってきてしまったとき、使用している添加剤を改良して鉄分を補強・追加した後、色
が回復し、以後色抜けに悩むことは一切なくなりました。

・高水温の時期が続いた、あるいは水温の急な変化

 サンゴは、産地やその時点でもっている褐虫藻にもよりますが、高水温が続くと褐虫藻を失ってしまうことがあります。具体的には、28℃以上の時期が1ヶ月以上続くとそう
なる場合があり、水温が低下してからも褐虫藻が元のように戻るまで1〜2ヶ月程度かかることもあるようです。
 また、もともと25℃程度で飼育されていたものが、急に水温が27〜28℃程度に上がるだけでもこのようになることがあります。(徐々に慣れれば大丈夫です。)

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その他の注意点など

・漏電、感電にご注意を

 これは蛍光灯器具で多い事故ですが、器具類の中でもっとも漏電しやすいのが蛍光灯器具です。ヒーターは壊れない限り漏電しませんが、蛍光灯は普通に使っていても
蛍光灯の端子に塩がついて感電してしまうことがありますので、手入れをしておくことと、もともと海水がつかないようなセッティングにしておきましょう。
また、もし蛍光灯器具が大きく海水をかぶってしまった場合は、まずコンセントなどすべてはずし、屋外で本体ごとホースで水をよくかけて洗い、(このときは内部にも水が
よく入るようにして洗い流します。複雑な器具の場合、分解して洗った方がほうが好ましいです。)あとはよく水を切って機械を立てて、風通しの良いところに5日間以上置いて
完全に乾燥させてから使用しましょう。

サンゴはボンドなどで固定した方がよいのか

 サンゴを固定するためのボンド(アクアボンド等)などが売られております。これらを用いて固定をすればサンゴが転がり落ちずにすむため、安全のためには好ましいですが、
特に置いた場所で安定をしているなら絶対に固定する必要まではないと思います。
 ボンドによる固定はコツが必要です。やや多めに使用してまずサンゴ側の根元部分をしっかりと覆います。また固定する岩の方もできるだけ凹凸のある岩肌の方がボンドが
くっつきやすいのでそのような場所を選び、しっかりとボンドをなじませて固定します。
 ほか、特にソフトコーラルの本体(共肉)自体に石や岩そのものを接着したいと言う場合は、ゼリー状のシアノアクリレート系の瞬間接着剤も使えます。
サンゴと岩の湿り気をティッシュなどでできるだけふき取り、接着し、1分ほど待ってからそっと水槽へ戻します。水に出た接着剤は水と反応して自然に硬化しますので大丈夫
 です。

夜間の光について

 夜間に整理作用を促す”ムーンライト”と呼ばれるものを設置するべきであるという意見があり、実際に効果もありえますが、基本的にわからない間はこれはやめておいたほ
が良いでしょう。また、サンゴに1〜2日以上も連続で照明を当て続ければ、その後、確実に死亡します。これは当方でタイマーの使用不備で何度も経験があります。
 また昨今、バブルカーテンなどLED照明がついた美しいエアーストーンがありますが、これも基本的に夜間はLEDを消灯させておいた方が良いでしょう。不調と思われる
相談例がすでに当方に届いております。

ライブロックについて

 ライブロックというものは、海中から切り出してきた、内部、外部に色々な生物や最近が生息した岩です。改めて言うまでもないようなおなじみの商品です。
ただ、昨今では水槽に入れるのが当然のように言われていますが、このような風潮は1995年頃からだと思います。
 効果としては、見た目、実用としてのレイアウト用としての岩、水槽内にろ過細菌などの種として用いる、また水槽スタート時の最低限のろ過能力としても使用が可能です。
確かに、充分にキュアリングされたライブロックを使用し、水流を起こせば水は綺麗になり、最低限の環境は整うといえます。ただ、これはあくまで最低限であって、非常に弱
い生物・物理能力であるといえますので注意が必要です。ライブロック自身が、水槽のその場所、その環境に置かれて、適応し完全に機能することにさえ、まだ時間がかか
ります。
 昨今はまるでライブロックが飼育に必須のように言われ、入れない方がおかしいかのように言われますが、決してそういうものではありません。 
また、キュアリング不足のライブロックが引き起こすトラブルの事故が昔から多発しています。
「ベルリン式によってライブロックを投入・使用したが、水槽が立ち上がらない」「数ヶ月たってもアンモニアが下がらず、生き物をいれられない」という内容のご質問を以前は
ばしばいただきました。
 ベルリン式の場合、ろ過器が付いていないのですから汚れが消えにくいのはしかたがないことですので、対処としまして、ライブロックの再キュアリングをぜひ行うと良いでし
ょう。しかしこれは、生物ろ過や物理ろ過のフィルターの付いている水槽、もしくはすでに沢山のライブロックが安定している水槽などでないと行えませんので、このような水槽
で行う必要があります。
 また、立ち上げの際の「細菌の元」としてライブロックを入れるなら1個で十分です。大量に入れる場合は、ぜひキュアリングが十分にされたものでないと、せっかくのライブロ
ックが、自分自身の汚す水でダメになってしまうこともあります。(ただし、ろ過細菌は残ります。)
 いずれにしましても、どうかライブロックは十分にキュアリングし、水をこれ以上汚さない状態になったものをぜひご使用ください。
 別個所にも書いておりますが、状態の悪いライブロックをのちに単なるレイアウト用の岩として使いたいなら、いっそ淡水にでもしばらくつけこんだり、雨ざらしにして白いただ
の石にしてから改めて使用されれば、すくなくとも使用によって水を汚すことはなくなります。 
 昨今は、もう普通の飾りサンゴ石よりライブロックの方が安いくらいのこともありますので、そういう使い方もありえると思います。

サンゴの置き場所を変え過ぎると弱る

 これは飼育を始められたばかりの時にかなりある失敗です。サンゴを水槽に収容後、翌日くらいで開かないので、つい場所を変えてしまう方が多い(私もかつてそうでした
が)ですが、これは大変良くないです。サンゴは新しい環境に置かれた場合、その場所の水流条件などにとりあえず慣れるまで3日くらいかかることがあり、性急に環境が合
っていないと判断をしてしまっては失敗します。難しい面があるのですが、少なくとも、ある程度そのサンゴにあった場所というのを見定め、多少でも開く傾向があれば3日間
は様子を見た方が良いでしょう。一番問題になるのは水流だと思いますが、分からないときはやや弱めの場所に置くのが基本です。

サンゴにエアーの泡は禁物

 これは何とも無いときとものすごく影響が出るときがあるのですが、特にSPS、また弱ったハードコーラルにエアーの粒が水中で常にあたっていると、1日位ですぐに死んで
しまうことがあります。特にミドリイシは翌朝に殆ど溶けていることがあります。
 水槽には、(特に夜間は)なんらかの確実なエアーレーションが絶対に必要ですが、パワーヘッドにディヒューザーをつける形でエアーレーションするとき、この事故が起こり
やすいことがあります。オーバーフロー式やスキマーを使用している場合は黙っていてもエアーが入るので問題ありませんが、飼育水槽内でエアーレションするときは多少面
倒でも水槽の端で安くて大きめのエアーが出るプラやセラミックのエアーストーンを使用し、水中全体に細かな気泡が混ざらないようにしてエアーレーションすることをお薦めし
ます。

水道の水、朝一の差し水には注意

 サンゴ飼育に必ずしも浄水器は必要ではないと考えておりますが、各地域の水道によっては、重金属が含まれている可能性もあると思いますので、その場合はこういった
浄水器の使用、またテトラのアクアセイフなどの中和剤を利用したりするのが良いと思います
→すみません。アクアセイフについて訂正・補足させて頂きます。
むやみにつかうと、微量成分が無くなりすぎて、かえってサンゴが不調・色抜けなどを起こすことがありますので、できるだけ使わないようにしてください。あるいは、使ったあと
、数日経過してから、添加剤で補充するなどしたほうがいいでしょう。

もし、水道の配管があまりにも古い場合などは、一度硫酸銅用のテスターで水道水を計ってみると良いでしょう。
 銅以外の金属イオンでも反応が出るようです。 
 また、朝一番に水道から出る水には夜間に蛇口の中や各パイプの金属部分のイオンが高濃度で溶出して混ざっている場合が多く、最初の5Lくらいは使わないほうがよい
です。(我が家では、レッドシーの銅テスターキットの測定ではっきりと反応が出ました。そのため、最初の5Lくらいを花にやったり、店の床の掃除に使っています。)

活性炭の使用

 水を換えない飼育を行っていてある程度長期間経過した後、水槽がどことなく以前より暗くなって、水槽立ち上げ時ほどの元気がなく、倦怠しているなあ・・というとき、
水が大変黄ばんでいることがあります。殺菌灯やオゾンを使用していれば幾分改善されますが、そうでない水槽の場合、活性炭を利用すれば水の黄ばみを取ることができ
ます。
 普段からろ過システムや水槽の見えにくい場所に入れておいてもよいでしょう。水の汚れかたにもよりますが、50Lにつき1個程度入れておき、2週間〜1ヶ月に1回交換すれ
ば充分に効果があります。
 以下、サンゴ水槽ではありませんが、魚水槽でグリーンFゴールドによる治療を行った水槽で、薬品の色を取り除いた場合の例です。
100Lに対して普通の活性炭を4個入れれば4日程度でほぼ色が取れます。個数を減らせば期間が長くなります。