ポリプ食のチョウチョウとSPSを一緒に飼う実験

(マリンスクエアでの簡単な実験のご報告)

2008年1月23日 初公開
2008年1月26日 最終更新・訂正

(分かりにくい追記・訂正部は、ピンク色の文字にしております。)

<※誠に恐れ入りますが、各記事・コラムは断り無く内容を変更するこ
とがありますので何卒ご容赦の程、お願い致します。>
  

 新しいコラムの追加は久しぶりです。^^ 

 昨今、ポリプ食チョウチョウウオとミドリイシ(SPS)を一緒に飼育したいという、あるいはされているという方が多いと聞きます。魚の白点が心配ではありますが、

それさえなんとかなれば、これはアイディアとしては結果的に素晴らしいものだと思います。なぜなら、餌付け困難なポリプ食の魚がエサの点では全く心配が不

要で、さすがに一撃で食べてくれるからであります。 ただ・・問題はミドリイシの方への影響かと思います。

 先日、当方が運営・撤退した室内水族館マリンスクエアにおいて、撤退の前ののこり2ヶ月で、ミドリイシ類・他SPSを30個程度展示していた600Lの水槽に

3匹のポリプ食性のチョウチョウウオ(ミカド・ウミヅキ・ハナグロ)を収容し、いったいどのような影響が出るのか実験をしてみました。なかなか当時余裕がなく、

写真もデータも詳細にとれなかったのであまり参考にはならないかもしれませんが、覚えている範囲と残っている写真でお粗末ながらご報告するものです。


実験に使用したミドリイシ・SPS展示水槽(2007年6月頃の写真です。)


ウミヅキとミカドチョウチョウウオ、ほかハナグロを収容しました。

 

もともと、少し弱っていたエダイボサンゴがすぐにボロボロに(;;)

 

 これら3匹のチョウチョウウオを収容した後、最初の数日はまず色々なサンゴを少しづつ、つついておりました。しかし、上記の少し弱っていたエダイボサンゴを

とくにウミヅキが集中的にむしりとるように食べはじめ、最終的に全部食べてしまいました。(;;)


(上記のエダイボの5月ごろの姿 左上)

次の標的はミドリイシ・ハナヤサイでした。 )゜0゜( ヒィィ

 エダイボを食い尽くした後、今度は上記のミドリイシ(これも部分的に剥げた固体でした。)と、別途養殖もののハナヤサイサンゴをにつつき始めまし

た。これもかなりのダメージを受け、ハナヤサイはほぼ全部、上記のミドリイシも半分くらい食べられましたが、他も全般的につつきまわっておりました。

水質的に何度か問題があった時期もありましたため、それによって弱ったミドリイシを集中的に食べているようにも思われました。

 最終的に、2ヶ月の間に食べられたサンゴは30個のうち、10cmくらいのエダイボ、ミドリイシ、ハナヤサイ2個、他これの被害かどうかわからないの

ですが、養殖もののミドリイシ3個くらいが完全にハゲてしまいました。^^;

 また、唯一のLPSのスリバチも始終つつかれて開けなくなってしまい、かなりハゲましたがこれは後日復活してくれました。

 

確かに、SPS(特にミドリイシ)はつつかれることに比較的強いサンゴだと思います。

 ミドリイシなどSPSは、LPSと違って萎縮するということがもともとなく、LPSのように少しつつかれただけで萎縮してそのまま腐食し、開けないために死んでし

まうという事がありません。そういう意味で、純粋に食べられた部分のダメージだけであり、しかも少しくらいの組織のハゲなら復活してくれるため、LPSよりは

つつかれることによほど強いサンゴであることは確かだと思います。また、つつくときも、サンゴの表面の有機物(ワックスと呼ばれるそうです)を舐めているだけ

?のような状態と、サンゴの共肉そのものをむしって食べている場合があり、サンゴが元気であれば前者の行動が中心になるのかもしれない?とも思います。

 しかし、ダメージがほとんどない、ということは残念ながら無いと思われ、やはり犠牲になる部分は少なからずあると言えると思います。また今回の観察では

それほどつつかれていない固体でも、ミドリイシが全体的に昼間にはポリプをほとんど出さなくなってしまいました。

 特に水槽の中では、今回のように魚が(味が?)気に入ったサンゴから集中的に狙われる事もあり、回復できないまま完全に死んでしまうこともありえるようで

す。ですが、そのあたりを人為的に調整しながら、あるミドリイシの固体だけが集中的に狙われないように注意し、保護しながらポリプ食のチョウチョウウオを一緒

に飼育すれば、サンゴそのものをエサにしつつ飼育することも可能ではないかと思います。集中攻撃をそのままにしておくと、順番に1個づつミドリイシを食べつく

していく事も起こりかねない気がしました。

 これは、他人様や新聞等々で得た知識の受け売りですが、これらポリプ食性のチョウチョウウオが沢山いるサンゴ礁というのは、サンゴが元気な証拠である

とされているということです。確かに、サンゴがなければ彼らは飢えてしまいますのでその通りだと思います。また自然界ではポリプ食性の魚の数に比して、

サンゴが豊富なために水槽での飼育のようにサンゴを食べつくして枯死させてしまうということもほとんどないのかもしれません。

 以前、違法採取・流通・販売についてのコラムにおきまして、ポリプ食のチョウチョウウオはサンゴを主食としているため、これらを中心的に入荷すれば、サンゴ

をいくらかは守る方向になるのではないか、というような意見を掲載していた時期があります。 

 これに対し、当時まだ掲示板を設置していた際当方のコラム記事の内容に異論を唱え、掲示板やメールを通じて抗議する方がしばしばあり、楽しく情報交換

を行うという本来の目的を果たさなくなってしまったためやむなく掲示板をを撤去した経緯があります。 その際、当方の記事に対して、「貴店の記事は考えが

浅はかであって、自分の水槽はポリプ食のチョウチョウウオをサンゴと飼育しているがなんの問題もない」というようなご意見(だったと思います。細部間違えて

いたらすみません。)を頂きました。 

 確かに、ポリプ食性のチョウチョウウオをぜひ優先的に採取した方が良いのでは、という点につきましては、確かに仮に行っても、あまり目に見えた効果はな

いかと思います。ただ、サンゴを食べるものとそれ以外のものを食べるものがおり、その際にサンゴを食べるものをできるだけ優先的に採取したほうがいいの

では?という意見にそれほど露骨に抗議を加えてこられるとは思っておりませんでしたので、余計な抗議を招く必要もあるまいと思い記事と掲示板は両方、

撤去しておいた次第であります。

 そういった過去のご意見を私がよく覚えておりましたので、ぜひ一度、先日の上記のような実験を行ってみたいと思っておりました。その結果、確かに、何の

問題の無い場合もあるのだろうと思いますが、今回のように水槽では(なんらかの手を打ってやらないと)やはりサンゴへ大きな影響がある場合もおそらく多い

であろう、というのが今のところ私の考えです。また、これはポリプ食のチョウチョウウオに限らず、ヤッコでも同じようにミドリイシを食べたりするものがいるのだ

そうです。(だからヤッコミドリイシを飼おう!( -_-)ノビシ*)゜O゜)あぅ) これは、まだ私が実験しておらず、ヤッコがミドリを食べることがあるとは・・。と意外に思

っております。あまり実験したくない実験です。^^;

 上記、誠にお粗末ではありますが、ポリプ食のチョウチョウウオとSPSの共存水槽を目指しておられる方への何かの参考になりましたら幸いです。 <(_ _)>

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