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サンゴの照明・光合成・色揚がりについて 初期掲載:2017/5/7

(序文)2017/5/6

照明器具・LEDの現状と選択 2017/5/8

照明の目的と調整(調光)の手がかり 2017/5/10

サンゴの色 ≒ 光合成色素 + 蛍光タンパク 2017/5/14

(以下は今後掲載予定の小見出しです。)

光合成で吸収される波長とLED球の波長

電球色のLEDの利用と影響

”普通のブルー”LEDではあせてしまったウミキノコ

ウスコモンサンゴの色あがり

”普通の青色LED”よりは、白色や電球色LEDの方がまだ色揚げ効果があった理由

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(序文)ミニ連載を開始させていただきます。(汗)2017/5/6

 ここのところ、自分の生活の余裕のなさにかまけて、本館記事の目だった追記も少なく、誠に申し分けございません。<(_ _;;)>

ちょうど、こんなこといかんと思っておりました中、この5月やっと色々な生活面での問題が峠を越し、こんな記事を連載開始をさせて頂きました。

 昨今照明についての波長や強度など、サンゴのために一体どんな照明(特にLEDの配色など)を選んだらいいのかわからない、というご質問がしばしばございます。

実は私もデータは結構ある中、特に波長の問題ではいまだにはっきりとした見解をもてていない部分もありまして、まだまだ不勉強、不明な点が多くありました。

 そこで、ほかのサイト様などではすでに何年も前から高度な話が既出のなかでありますが、解説を兼ねて私自身が自分の考えを改めて整理・勉強させてもらう目的で、これ

までの養殖サンゴでの実際の試行錯誤の使用経験や写真、手持ちの参考文献+WIKIペディアや結果から、現状でわかります範囲でまとめてできるだけわかりやすく、

 サンゴ飼育での光の波長と、光合成、そしてサンゴの各色にあたえる影響、色揚げなどに対しての(レベルの低い^^;)記事を、今更連載させていただきたいと存じます。

また、現在販売しておりますグランクリエイトのオリジナル配色のLED照明で、今後、さらなる配色の改良型を検討しておりますのでそういったものに役立たせようという下心

もございます。^^;(資金的な問題でまだだいぶ先になりそうですが・・。)

 散文的な部分も多いですが、何卒ご容赦のほどお願いできますと幸いです。いきなり全文をかきあげる気力は毛頭ございませんでしたので、ミニ連載として、がんばって

追記していきます。正直、これら色揚についてはあまり自信がありませんので、もし間違いやご意見がありましたらドスドスお知らせ下さいませ。

 今後掲載予定のおおよその小見出し(水色の字)をすでに前もって下記に記載しておりますが、変更になる恐れもございますので、何卒ご容赦のほど、御願いできますと幸

いです。 ※内容的に重要な追記・訂正をした箇所などは、ピンク色の文字で記述いたします。

 主な参考文献:「総合図説生物」/平成6年2月1日初版/教育図書出版第一学習社
          「大学の生物学 植物生理学 改訂版」/2006年9月10日/清水碩/
          「藻類の生理生態学/W.M.ダーリー著/1987年5月25日(初版)/株式会社培風館
          
「光合成とは何か」/園池公毅/2008年9月19日/講談社ブルーバックス、(及び出版された方の掲載サイト様→光合成の森
          
WEBサイト 光合成事典http://photosyn.jp/pwiki/index.php
          (他)
          WIKIペディア、R.P.LEDの素子であった台湾HCC社のLED波長表、交友店との情報交換、自社機関誌BLなど

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照明器具・LEDの現状と選択 2017/5/8

 本日からできるだけ連続して、頑張って追記させていただきます。追記しながら、すでに記述した部分も訂正・改良するかもしれませんので、何卒ご容赦のほど、御願いで

きますと幸いです。<(_ _)> 上記にも記述しておりますが、内容的に重要な訂正をした箇所などは、ピンク色の文字で記述いたします。

 まず、昨今の照明器具を実際に飼育に用いるおおまかな選択についてです。すでに器具やサンゴのコラムにも少し書いています部分も多いですが、あらためて、まず照明

器具のおおまかな選択から考えてみたいと思います。

 現状の照明器具には、もともと長く使用されてきた蛍光灯、サンゴ用の強力な照明としてのメタルハライドランプ、水銀灯などがあり、そこに2010年頃から本格的に強い実

用的なLED照明が加わってきました。そのLEDにも、大きくわけてスポットライト型と平面に広くLEDが配置された今までの直管蛍光灯器具と同じように水槽の上に

のせたり、天井などから釣るタイプなどがあります。

 それぞれの出す光合成に大きな影響を及ぼす光の波長については種々議論があり、まだまだメタハラはもう完全にだめだ、などということはないと思います。しかし、今後

新たな照明器具を特にサンゴのためにこれから購入するという場合、もはやLEDが確かに圧倒的に便利です。発熱の少なさ、メタハラなどのように本体のほかに安定器など

を必要としない、小型ですぐれたスポット照明ができる、色もLEDの配色でかなり自由に選択できる、などもはやメタハラ等のHIDランプを新たに選ぶことは少ないと思いま

す。

 ただ、蛍光灯器具については、価格や実際の照度、ランプが自由に選択できる点から、普通の60〜90cm程度のSPS飼育以外の水槽ではまだまだ大きな選択肢であ

ると考えています。そこで、今これから新たに器具を検討する場合のまず大まかな選択の基準、良い点・悪い点などを以下にまとめさせていただきます。

 LEDの色などのこまかな配色については、後述します。 

器具の種類 良い点 悪い点 お勧め水槽
(直管型の)蛍光灯器具

例:ニッソーカラーライト等

・本体価格が安い。
・ランプの種類がいまだ豊富
・実は平均的な発光効率はLEDと比較して必ずしも
 悪くない。
・実は一般的な各水槽サイズに対応する
 LED平面型器具(60cm水槽用など)より実際には
 明るい場合がいまだ多い。
・水槽にそのまま設置できる。
・発光体が大きいため、散光が極めて多く、無駄になって
いる光が多い。特に照らしたくない水槽の壁を照射してし
まい、藻類を増やす原因になりやすい。
・深度のある水槽では底部まで光が届きにくい。
・LED電球に比較すると発熱がやや多く、また水槽に近い
場所で照明せざるをえないので、熱が水に伝わり入りやす
く、それを避けてライトリフトなどを用いると、飛躍的に水槽
での光量が減ってしまう。
ただし、リフトの変わりに冷却ファンなどをつける対策する
とこの点は大変効果的。
・幅60〜90cm程度
までの水槽照明とし
ては、器具価格的
にまだまだリーズナ
ブル。
・深さ45cmまでの
SPS以外の海水魚、
サンゴ水槽照明と
して。
LED平面器具

例:GEXクリアLED

・本体が軽い。
・発熱が少ない上、放熱が良いので水温への影響
 が少ない。
・消費電力が蛍光灯器具より低い
(ただし、その分
照度・見た目が暗い場合もある。)

・各水槽専用のものは、水槽にそのまま設置できる。
・ランプは器具と一体構造になっているので替えられない。
・意外と、サンゴ水槽に向いた配色のがまだ少ない。
※海水水槽では、ブルーLEDの割合が6〜7割以上ないと
見た目、ブルーがかって見えません。
(ただ、2017年1月現在、ゼンスイナノスリムなど、いいもの
が出てきました。)
・蛍光灯器具よりはLEDに指向性があるものの、
 散光してしまって水槽からもれてしまう光が部分が多い。

結果的に、上記の蛍光灯器具と変わらないか、むしろ暗い
場合も多い。

・比較的蛍光灯器具より高価。

上記とほぼ同じ

LEDスポットライト型

例:グランクリエイト(電球型)等

・照らしたい部分(主にサンゴ、水底部分)と照らしたく
ない部分(水槽の壁部分)をかなりはっきりわけること
ができ、結果、同じW数でも照らしたい部分に強力な
照明ができる。たとえば、20Wのライト一個でも一般
的なSPS1個ならほぼ十分飼育できる。
・点光源に近いため、また水槽内での陰影がはっきり
するので、見た目にも美しい。・照射角度にもよるが、
無駄な散光が少なく照度が極めて高い。
・水槽の大きさや必要する照度を、設置する個数や
電球の種類で調整ができ、使い回しなどもしやすい。
・水槽にそのまま設置できず、まず電球をつけるクリップラ
イトが必要なことに加え、さらにこれを固定する場所、アー
チ台などが必要。(これがかなり問題)
 結果、使い方や工夫にもよるが、設置器具の問題でや
や高額になりやすい。
水槽のサイズをと
わず、個数で調整
して、SPS用の照
明として最適。
もちろんほかの多
くの海水魚、サンゴ
水槽にもよい。

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照明の目的と調整(調光)の手がかり 2017/5/10

 ここから、やっと本記事ならではの内容に入らせていただきます。サンゴへの照明を考えるとき、照明・照度の強さに加えて、特に波長が重要視され実際に重要であること

が、過去R.P.LEDなどを作製し、また近年、サンゴ養殖(に悩む)のなかで、流行に常にうとい私にも実感させられてまいりました。

 照明をおこなう目的は、おおまかにいいますとサンゴを成長させること、そして願わくばその光の波長をうまく調整し与えて色を綺麗にする(揚げる)という二つがあります。

 光の波長は、その光源やLEDの種類によって大きく違いがあります。

 そこで、これ以降では、まずサンゴの光合成と成長、そして色を決めている要素を改めて確認し、さらにそれをうまくコントロールするにはどういう光をあたえればいいのかとい

うことを順に追いかけていきたいと思います。

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サンゴの色 ≒ 光合成色素 + 蛍光タンパク 2017/5/14

 褐虫藻の持つ光合成色素

 サンゴ(やイソギンチャク)は、実際に飼育の中で色が大きく変化することがよくあります。特にSPS、ミドリイシでは顕著です。

 この色を決定しているのは、まず、サンゴと共生する褐虫藻(=渦鞭毛藻の一種)が持っている光合成をおこなう葉緑体の中に含まれていて、光合成のための光をあつめ

たり、また反応そのものに関与する光合成色素(※通常、同化色素と呼ばれますが、ここではイメージが伝わりやすいように光合成色素にします)がまずあります。

これにはすべての植物をあわせると複数の種類があり、クロロフィルa、b、c、d、カロテン、キサントフィル、フィコシアニン、フィコエリトリン・・などで、褐虫藻が主にもっている

のは、クロロフィルa、c (→すみません、間違えてました。<(_ _;)>)、カロテンなどといわれています。

 これらは他の植物も含めて、下記の図のようにそれぞれ固有の色をもっており、これがサンゴの色の一つの要素となります。

同化色素
(光合成色素)

機能  コケ・
シダ
種子
植物
緑藻類 褐色藻
ケイ藻
紅藻類 ラン藻
光合成
細菌類

褐虫藻
(渦鞭毛
藻類)

主色素 クロロフィル クロロフィルa 光化学反応の
反応中心とし
て働く。
青緑  
バクテリオクロロフィルa 緑紫              
補助色素
クロロフィルb 集光性の色素
として働く。
(アンテナ)
黄緑            
クロロフィルc            
クロロフィルd                  
カロテノイド カロテン  
キサントフィル 黄緑        
フィコビリン フィコシアニン            
フィコエリトリン            

主な蛍光色である 蛍光タンパク

 次に、サンゴの綺麗な蛍光色ですが、これは上記の光合成色素とは別に、サンゴ自身が紫外線の有害性から身を守るために役立っていると思われる”蛍光タンパク”という

もので、有害な紫外線を別の波長に変更させる作用をもっていると推測されます。

 (※蛍光というのは、ある光の波長別の波長に変更(シフトと呼ばれます)する作用です。)サンゴ以外の生き物で有名なものではオワンクラゲなどが持っており、蛍光タンパ

クの研究の重要な素材、対象となっているようです。

 蛍光タンパクには色々な色があり、たんぱく質のデータなどが掲載されている”日本蛋白質構造データバンク”様によりますと、たとえばディスクコーラルレッドには”1G7K”と

呼ばれる赤い蛍光タンパク質が含まれるようです。

 ほかにも、色の要素はあるかもしれませんが、主にこの光合成色素と蛍光タンパクの二つの要素がかけあわさって、サンゴの主な色を形成しているといえるようです。

 ひどく乱暴な言い方をしますと、特にサンゴの成長に大きくかかわる方の色が光合成色素、一方で見ための点で重要といえる蛍光色を特に綺麗にみせる色が蛍光タンパ

クといえないこともないかもしれません。ただ、普通のブルーでない照明で見たときにパープル等で綺麗なミドリイシなども多いのでこれらは光合成色素の方の色といえるで

しょう。 (書きながら、自分で自分の考えを整理させてもらっています、すみません。) 

クロロフィル蛍光

 ただ、つい少し前まで勉強不足で疑問がありましたのが、それほど紫外線が含まれていない光で飼育していても蛍光色があるサンゴもよくあり、また、赤い海藻の一種

にブルーライトだけで見ると蛍光色に見えるものもあり、さらに淡水にしばらくつけた赤い海藻が綺麗な赤い蛍光色を出す現象などをみるなか、いわゆる蛍光タンパク以外

にもすくなくとも人の目で蛍光色、あるいはそれっぽくみえるものがあるのではないか?という憶測がありました。

 その中で、一つわかりましたのが、蛍光色に見えているのはものは蛍光タンパクだけでなく、光合成色素にも”クロロフィル蛍光”とよばれる主に集光(アンテナ)として働

くクロロフィルが出す蛍光があるようです。これは、参考文献「光合成とは何か」を出されている方のサイト様”光合成の森”様(http://www.photosynthesis.jp/keikou.html

で掲載されている大変専門的な内容を勉強させていただきました中、このクロロフィル蛍光で出ている光の波長が、温度等によって変化しますが680〜740nmという、

赤い波長の蛍光部分であるようです。(推測が間違っていないことを祈ります。)

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