還元ろ過の情報ページ 2005/10/5 

最終更新日 2017/10/19

このページは、活性底面BOXや還元ろ過そのものについて、さらに詳しい解説や当店の実験データなどをご紹介するページです。自作法もありますので参考になりましたら幸いです。 

0.還元ろ過とは 

1.還元ろ過と養生の必要性

2.硝酸塩が下がりにくい場合と、水槽内のヘドロの関関係

3.活性底面BOX(還元ろ過BOX)の自作サポートコーナー

4.本当に硝酸塩の有無を知りたいなら、テトラのテスター試験紙で測定しましょう

5.ちょっと最近、硝酸塩に神経質すぎる面もあるようです。

6.濾過器の安定・ヘドロと硝酸塩・還元濾過の関係(2005・2月記事のアーカイブ)


0.還元ろ過とは

観賞魚の世界でいう還元ろ過とは、還元ろ過細菌を利用して硝酸塩(NO3)を解消することです。別名、”脱窒素”ともいいます。

還元ろ過の原理を簡単に表しますと、

 反応@  硝酸塩(NO3)→亜硝酸(NO2)
 反応A  亜硝酸(NO2)→窒素(ガス)(N2) 

という反応を起こし、これまで水中にたまっていくだけで水替えなどで取り除くしかなかった硝酸塩を常に低い濃度に保つものです。
還元ろ過をしてくれる還元ろ過細菌は、酸素の非常に少ない場所でしか活動・繁殖できないため、ろ過器の形状や構造が難しくなかなか有効に効率よく働かせるこ
とが難しいろ過でした。これまで、還元ろ過を行う製品もしばしば発売されましたが、あまりうまく使用できない場合も多かったと思います。

 還元ろ過を行う細菌は、自分でエネルギーを作らず、他のエネルギーを使って活動する従属栄養細菌であるため、別途エサになるものが必要です。これが今まで
発売されていた各種の生分解性プラスチックなどの還元素材でした。当方のデニトロゲンも同様です。
 こういった従属栄養細菌は一旦エネルギーと活動に適した環境さえ与えられれば硝化細菌などのような自分でエネルギーを作り出す独立栄養細菌より極めて早く、
爆発的に繁殖、活動を行います。ですから、還元ろ過は難しいというものの、一旦専用ろ過器などで構造的に良いものが作ることができればうまく働かせる事がで
きる可能性は十分にあったのですが、一般に販売されていた多くの還元素材は、”それだけ”で販売されており、購入者がうまく使用できずに結局下火になってしま
っているようです。この点は、当方が活性底面BOXを考えたときも非常に考慮した現状でした。

 還元ろ過というものは、危険性もはらんだろ過で、硝酸塩を解消するまでの過程で必然的に亜硝酸が発生し、また還元素材は細菌のエサになるものであり、安定ま
では水中に不特定多数の細菌を繁殖させる原因にもなります。水中に細菌が多い事は、魚などの病気を増やす原因になるとも考えられます。
そのためにも好気的な生物ろ過、物理ろ過の併用が必須になります。
(ただしこれまでの実験では、水が透明である以上、還元ろ過器を設置したために魚が病気に罹った事はありません。)
 またこれもほぼ確実に、ろ過器内部に有害な硫化水素の発生を招きますが、水槽のシステムにつねに何らかのエアーレーションがあれば生体に問題はありま
せん。(自然界でも、海底の奥深くはそのような状態になっています。)

・水槽内の細菌と、還元ろ過製品について 補足(2012/3/8)

 還元ろ過細菌他、あらゆる細菌が普通の水槽にはすでに存在を しておりまして、それらが好む環境やエサの量によって、活動・効果や 細菌数が自然に決まってく
ると考えていただくとわかりやすいかと思います。
硝酸除去剤として人気の AZ-NO3は、いわば還元ろ過細菌のエサだけを水槽内に投入しており、還元ろ過細菌は
嫌気的な水域でなければ活動をしないため、 そういう底砂やライブロックの少ない水槽では活動はそれに比例した 活動しかできません。   また、細菌自体の製品も
ありますが、これもその細菌が生きら れる環境が水槽内になければ、ごく一時的な効果しかできないと推測されます。


1.ろ過器の養生の必要性

 当方の活性底面BOXを主に例にとりまして、使用前に、本体を飼育水に3日間浸け込む「養生」をお願いしております。

その理由は、特に飼育水につけると1日〜3日目の細菌の繁殖が不安定な時期に上記 0.の反応@だけが多く起こる
上、細菌の数が少ないために中途半端に分解された還元素材が水中へ流出してしまい、そこでまた余分に細菌が増殖するために水をにごらせ、亜硝酸を発生させ
てしまいます。
 さしあたり、還元ろ過器を設置直後にもっとも注意すべきは設置後2日間程度の亜硝酸の値です。これだけは十分にご注意いただき、よくご観察・測定をお願
いします。もし上昇してきた場合は、本品を直ちに取り出してください。
 一旦安定し、水槽内のろ過のバランスが取れた状態から急激に亜硝酸などが発生するということはほとんどありません。
 また、ご使用前に飼育水中に硝酸塩が多いと一時に発生する有害な亜硝酸も多くなるため、予め水替えを行い硝酸塩20ppm程度以下に落としておいてくだ
さい。
 還元ろ過細菌は繁殖が非常に早く、設置後12時間程度ですでに活動が確認できるため、逆に使用法を誤まるとそれが大きな危険性もはらんでいます。
 ろ過器内に十分に細菌が繁殖し、細菌粘膜が出来ればこのようなことは極端に減り、通常の好気ろ過を行うフィルターがある状態ではほぼ問題がなくなります。 
そのため、ご使用前には以下「ご使用方法」に解説しております「細菌の養生」の手順を必ず行っていただきますようお願いいたします。

飼育水槽内は、基本的に好気的です。しかし、還元ろ過はろ過器内が嫌気的にならなければ活動できません。ろ過器内に最近が沢山繁殖し、べったりとした
生体膜を張れば、それら自身によって嫌気性が保たれるようになります。 そのためには、好気的な飼育水槽よりもバケツなどの止水の方が一時最近を早期に
繁殖させることに適しているといえるでしょう。また、最初の細菌が繁殖する間、繁殖した細菌がろ過器から流出する危険性もこれである程度防ぎます。


2.硝酸塩が下がりにくい場合と、水槽内のヘドロの関係

 私は、これまで自身の活性底面BOXの使用実験、およびお客さんからの声から還元ろ過が効きにくい場合などのデータをあつめ、その原因を追究してきました。
このほど、また新しい事が分かりましたのでここでご報告いたします。まず、以前から当方の「濾過器の安定・ヘドロと硝酸塩・還元濾過の関係」というコラムで、
さしあたり、「水槽内にヘドロがあるとそれが溶解するため、硝酸塩が減りにくい。そのため、一旦ウールマットなどを魚の病気が出ないように交換・掃除する」という
ことを勧めてきました。さしあたり、それは大筋においてそのとおりだったのですが、活性底面BOXを設置すると、水槽内の別の場所にある有機物やヘドロそのもの
を、分解する作用が確認されました。具体的には、活性底面BOXを設置すると、物理ろ過のために使用しているウールマットの汚れや、生物ろ過層のろ材の間に
詰まっている茶色いヘドロが、だんだんとなくなってくるのです。
 仮説ですが、活性底面BOX内で還元ろ過細菌のほかに増殖した有機物分解細菌がBOXから離れてウールなどの濾過槽に定着し、このような分解作用が起き
ているのだと考えられます。

 これは、必ずしも良い面だけではなく、本来、溶解する前に取り出すべき有機物が分解されてしまうということは、硝酸塩の増加を招きます。そして、おそらくこれ
が、長く使い込んだ魚専用システムで活性底面BOXを設置したがしばらくの間、見た目の硝酸塩が減りにくくなる現象の原因になっているのではと考えております。

 すなわち、還元ろ過細菌による窒素の除去効果と、同様に増殖した有機物分解効果によって硝酸塩もで出てくるため、見た目の効果が相殺されてしまうのです。
そのため、この時期にいくら活性底面BOXを増設しても、あまり効果が現れてこないのでしょう。ただ、有機物の分解効果が還元ろ過を超えるようなことは無いよう
です。本来は、この分解細菌も嫌気性で従属栄養細菌(外界の有機炭素を含んだエネルギー源がないと働けない細菌)であり、だからこそ還元素材の設置によ
って繁殖し、その余力で水槽内のほかの個所にある有機物も分解するわけですから、もっとも活動環境に適したBOX内で主に活動している還元細菌の効果(硝
酸塩除去)の効果を超えることはまず無いようです。還元BOXを設置して、かえって硝酸塩が増えていたらアホですからね・・。^^;

 また、この分解効果がよく起きるのは、濾過槽でも水がよく流れている場所だけ起きておりウールやろ材中のヘドロは分解されますが、底に沈殿しているような
ものはほぼそのままになっています。このことからも、水中にいて、流れてきた細菌が定着した場所でこういう分解が進んでいるのだとわかります。
 これらの点を考慮し、オーバーフロー式などの大きな濾過槽で長期にわたって使用しろ材の隙間に汚れの目づまりが多い場合は、設置後数ヶ月間してある程度
有機物がすこしづつ分解されてきてから硝酸塩が効果的に減ってくることが考えられます。また、上部フィルターでの飼育では、汚れたウールマットを使用していて

、中々硝酸塩が下がらないなあという水槽で、ウールだけを交換すると、2〜3日後くらいにストンと硝酸塩が減っている現象がおきます。
 以下は、当方の実験水槽のひとつのろ過層です。(魚飼育講座の飼育記事で使用している水槽です。)上の写真は、これでも、ウールマット部分(左の写
真の左から2層目の白いワタ部分を掃除した翌日くらいです。

 (撮影日2月13日)このとき、すでに還元ろ過(活性底面BOX)を少なめに使用していたのですが、こののち、実験用活性底面BOXを約3倍くらいに増やして
 約半年が経ちました。


   これが現在(2005年10月1日撮影)の状態です。ウールはほとんど真っ白の状態になり、交換直後より綺麗になってしまいました。
  また、右のウレタンとサンゴ砂が少し見えているろ過層も、ヘドロがほとんどなくなっています。もちろん掃除などはしておりません。

  ただし、これは極端な例で、この間、当方では活性底面BOXのさまざまな実験をこの水槽で行っていたなか、不完全な構造の活性底面BOX
  から多量の細菌が漏れ出したりして、余計に濾過槽に定着した細菌が多かったものと思われます。また、この間、魚の飼育数はやや減りましたが、それでも
  給餌量は約7割がたはそのままでした。 

  また、もうひとつ同じような事がおきました。以下の写真は、前ページのカクレ、ハマクマノミのはいった実験水槽の上部フィルターをフタをあけて撮影したもの
  です。この時点では、すでにフローしていませんが、活性底面BOXの設置前は、飼育している魚数は僅か2匹だったのに、フィルターは目つまりを起こしてフロ
 ーをしていました。しかし、活性底面BOX設置後、徐々にフローがおさまってきました。ちなみに、今はデータのとおり、約70匹以上のクマノミがいます。 

 これらの結果から、まだぼんやりとですが、活性底面BOXには目に見えた有機物の分解効果、またそれによるさまざまな影響もあるということが分かってきま
した。決して良いことばかりとはいえませんが、ウールに汚れを自ら分解する作用がついたということは、うまくすればメンテナンスフリーを目指せる可能性が大
であります。


3.活性底面BOX(還元ろ過BOX)の自作サポートコーナー

(※大変恐れ入ります。自作に関するご質問はどうかご遠慮をお願いいたします。)

 昨今還元BOXを自作したいという方がかなり多いようですので、一応ここに方法を記述しておきます。還元素材は、別に当方のデニトロゲンでなくとも、同様の目的
で使用されるものなら可能と思われます。しかし、製品による差は、ご考慮ください。
また、作成に関してこれ以上のご質問などはご遠慮ください。そしてこれらのことは一切免責とさせていただきますので、どうか自己責任において参考にしてください
ますよう、お願い致します。
 
ただ、還元ろ過BOXは硫化水素・亜硝酸の発生など種々の危険性もありますので、製品の活性底面BOXのページを熟読された上での作製・ご使用をお勧めいたし
ます。

1.材料の調達

(基本的に、当方の活性底面BOXと同じ、50〜100L水量に対応するものを想定し、材料は当方で販売しているものを一切使用しない場合を想定しています。)

ケース・・・プラスチックやポリプロピレンなどなら良いです。ある程度高さのあるものの方が好ましいでしょう。大きさは、規模によりますが、当方の販売している
      50〜100Lの飼育水量に対応するものなら、10cm角程度に近いケースが手ごろです。
      100円ショップで売っているフタ付きのタッパーがさしあたりお勧めです。フタの部分が柔らかいビニール製のものが後の加工しやすくて良いです。

1cm厚のスポンジマット(抗菌処理されていないもの)・・・大きめのホームセンターで、梱包資材として、また手芸用品などでクッション用スポンジなどが入手
        しやすいでしょう。私の知る限り、関西では、ホームズというホームセンターにだけありました。

還元素材・・・テトラナイトレイトマイナス粒上、など鑑賞魚用の個体型の還元素材を使用します。
        還元素材は、その表面積が毎瞬間の還元能力になります。大きな粒状のものは飛躍的に効率がおちますので、砕くなり割るなりする必要があり
        ます。また、残念ながら国内で販売されている一般的な原材料の生分解プラスチックでは、当方の調べた限りでは使用可能なものはありません。

2.加工と作成

 @ケースの作成

  
    写真1                          写真2  

 まず、ケースになるタッパーに穴をあける必要があります。まずフタは、淵の部分から少し残して、完成した写真Aの右のように中部分をカッターで切って大きな穴
をあけます。

 本体は、側面だけに穴の部分の面積が、側面面積の約1/10程度になるよう出来るだけ均一にあけます。底は一切あけません。
 作業は半田ごてで溶かしてあける(写真2 換気を十分にしましょう)、か、ドリルを使用します。

 Aつぎに、本体の内壁にスポンジマットを切って、ケースの内側から側面にだけ貼り付けるように敷きます。(写真3:スポンジの継ぎ目を分かりやすくするため、
  色が違うものを使用しています。)あとから、粒上の還元素材を入れますので、ケースの底部分とスポンジの接触面がピッタリになるようにしておきませう。
  とくに固定や接着する必要はありませんが、もしウレタンがケースの壁から浮いてしまって、やりにくそうなら、両面テープを使用して止めます。
  (当方の製品版は、ウレタンの継ぎ目は熱で溶着しています。)
  また、同時に内側のフタの役目をするスポンジマットも先に作っておきましょう。これは、ケースのフタとほぼ同じ大きさのスポンジマットを3枚重ねてつくります。
  (写真4)

 
写真3            写真4 

B還元素材を、容器の8分目くらいまで入れます。もし、カルシウムリアクターBOXにしたいバヤイは、還元素材とパウダーサンゴ砂を半分ずつまぜて入れます。
  (ナイトレイトマイナスを使用する場合は、新発売された液状ではなく、粒状の旧製品でなければいけません。)

 

写真5            写真6 

C先ほど切った内側のフタになる3枚重ねのウレタンを、ケースの上にのせ、ケース(タッパー)のフタでぐっと押さえ込みながらフタをします。写真7
 ちょっと抵抗がありますが、これくらいでないと隙間が出来てしまうのです。ウレタンは押し込めば縮みますので、うまくフタをしてしまいます。 写真8

  
写真7            写真8 

(以上で完成です)


4.本当に硝酸塩の有無を知りたいなら、テトラのテスター試験紙で測定しましょう。

 販売ページでいうと、いかにも売りたがっていると思われるとシャク(な・・なんて小心者・・・嗚呼(ーー))ですのでここで言うときま。^^

実は、今発売されている硝酸塩のテスターで、正確不正確はともかく、もっとも敏感に反応するもののひとつは、テトラのNO3試験紙テスターです。
数社のメーカーの試薬キットでほぼ0ppmでも、テトラテスターなら10ppmくらい出る水槽は多いです。
また、試薬キットのものは数ヶ月たつと反応はさらにやや鈍くなるものが多いです。
 テトラのテスターは、以前少し発生しました、試験紙部分がグレーに変色してしまっている劣化品以外は大丈夫です。(正常品は試験紙部分は真っ白です)
試験方法は、試験水に試験紙を1秒浸け、上げて1分後に比色する方法です。いたって簡単ですが、このテトラのテスターで10ppm以内なら、本当に硝酸塩が無
いと思ってよいでしょう。なお、ある程度硝酸塩があると、60秒以上たつと色がさらに濃くなりますので早めに読み取りましょう。

ちなみに、当方が実験のために使用しているのは、すべてこのテトラテスターの開封後2ヶ月以内です。


5.ちょっと最近、硝酸塩に皆さん神経質すぎるようです。

 最近、少し皆さん硝酸塩に神経質すぎるようです。
まず、硝酸塩というのは、もともと極めて毒性が低い上、魚はすこしずつ慣らせば多くの魚種が100ppmくらいあっても実際はなんともなく、何年も飼育可能です。
(現に10年くらい前まではそういう飼育が主流だったのです。)
 軟体動物やハードコーラルはたしかに低いほうがよく、これらは細菌に犯されやすい組織であるため、水質が酸性出ないほうがよいこともあって、低いにこした
ことはありません。しかし、それでも多くの種が20ppm以下なら十分に飼育可能、敏感な種でも10ppm以下ならほぼ問題はありません。
(ただし、ミドリイシ類ではこれら栄養塩との関係で毒性のほかに褐虫藻の過剰な増殖などの問題があるため、より少ない方が好ましいです。) 
魚水槽で30ppm以下、サンゴ水槽で10ppm以下なら十分だと考えてよいでしょう。
魚水槽なら、50ppmでも、なれてさえ要れば長期的にも全然問題ありません。特に魚水槽の場合は、硝酸塩が多く、pHが低い水質の方が白点病などがむしろ
出にくいと昔から言われているくらいです。ですから、生き物が元気にしているが硝酸塩が多いのでヤキモキしているということは、あまり気にせずいきませう。^^

ちなみに、10ppm程度の硝酸塩は、多少ヘドロで汚れている水槽内の砂を魚がかき回したり、人間が水槽で作業しただけでも簡単に発生します。

よく、「大変です。硝酸塩が突然10ppmになりました。いったいなぜでしょう。」とか「10ppmから下がりません。還元BOXが効いていないのでしょうか・・」というよ
うな質問をよく受けます。まず還元ろ過が効いていなかったら、10ppmなどという値に下がりません。魚水槽では、放って置けば100ppmにも、200ppmにもな
ります。

 硝酸塩というものは、本来、そんなに簡単に除去できるものではないのです。いまでこそ、色々な還元ろ過、安定したサンゴ中心のベルリン式などで除去ができる
ようになりましたが、1990年くらいまでは、何をしてもこれだけは除去できない、「鉄の壁」だったのです。
 魚を飼って、エサを与えている環境で、10ppm(鈍感なテスターでなく、テトラテスターなどでの本当の10ppmです。)などという値に維持が出来ていることは、
少し以前からすれば「奇跡」に近い事でした。だからこそ、色々な危険性をはらんでいても、「硝酸塩を下げる可能性がある」ライブロックが、よく売れた面があるのも
うなずけます。


(以下は、上記の記事以前に、2005年2月に掲載しておりました濾過器の安定・ヘドロと硝酸塩・還元濾過の関係というコラムです。

内容が似通っていますので、こちらのページにまとめました。一部上記と重複している個所もありますがアーカイブ的に掲載します。)

6.濾過器の安定・ヘドロと硝酸塩・還元濾過の関係

2005年2月23日記述 

個別のこういった素朴な研究的コラムは久しぶりでゴザイマス。ここでは、硝酸塩と、水槽にたまるヘドロの関係、そして、

それにかかわる濾過・還元ろ過の観点から、実験で判明したことを報告・解説をしていきたいと思っております。

還元ろ過をしても硝酸塩が下がらない水槽がある

 以前から、還元BOXや還元ろ過を行っても中々硝酸塩の減らない水槽というのが内外で時々見られまして、その原因を追求

していたところ、ようやく答えがでました。それは、いわば濾過器の目詰まりや、また水槽や濾過層のそこにたまるゴミやヘドロ

がその原因になっているということです。いわば、これらは硝酸塩予備軍ともいえるものでしょう。これは、たまっていくわけでから

いきなり硝酸塩になっているわけではなく、その体積量が増えるにしたがって、すこしづつ溶解し、発生するのだと思われます。

簡単な実験をしてみました。

@下の水槽は、うちの店の収容水槽のひとつですが、上部フィルターにウールマットだけを入れ、底は粒径1mmくらいの砂を

平均で約5cmほど敷いています。設置してからすでに一年以上経過しています。この水槽は、活性底面BOXを入れてあります

がまだ十分に効力がのこっているにもかかわらず、硝酸塩が25-30ppm前後あり、また魚がいない時間を長期間すぎても、

濃度がほとんどかわらず、年中この濃度でした。そして、上部フィルターのウールマットは約半年前に交換したのが最後でした。

Aこの水槽で、魚がいないときに、水槽の底砂を手でかなりかき回してみました。砂のあいだからはいくらかの汚れが舞い上

がり、その約まる1日後、硝酸塩を測定してみたところ、前日まで25-30ppmであった硝酸塩が、一気に70ppm近くまで

あがっていました。これは、砂をかき回したためにヘドロを舞い上げ、それが水中で強制的に溶解したり、また濾過器にかかって

溶解したりしたのだと考えられます。いわば、たまっていて少しずつ溶解していっていたヘドロの一部が物理的に強制的に溶解し

結果的に硝酸塩濃度も上昇したと思われます。

Bさあ、これからが面白いです。砂を巻き上げたあと、もう念入りに巻き上げ、砂を掃除して砂の汚れをできるだけ上部フィルタ

ーにあつまるようにしてみました。そして、1日経過して水が透明になり、汚れが上部フィルターにたまったところで上部フィルターの

汚れたウールを全部交換し、新品にし、3日間ほど経過させました。その後、硝酸塩を測定してみましたら、見事に5ppm前後に

下がっていました。

水の硝酸塩はすぐに下がる。

上の簡単な実験結果から察するに、硝酸塩はやはり水槽内にたまっていくところの、物理的な汚れからも溶出している部分が

多く、時間がたって堆積すればするほど慢性的に発生してきます。しかし、逆に水中に今あるだけの硝酸塩なら、以外に早く

還元濾過で除去できるわけです。 日記にも書きましたが、新しい還元BOXを2週間水槽内で養生したものを使用して、

50ppmの硝酸塩を含む5Lの水のそれを、40時間以内でほぼなくしてしまえる能力をもっています。

小型水槽での飼育方針

 それなら、いったいどうすればいいかということですが、まず今回の実験水槽のようなうちが「海水館式」などと言っている魚を

中心とした飼育方法の場合は、1ヶ月に1回くらいはウールを洗ったり、また基本的に水替えをあまりしない飼育なのですから、

水槽内の掃除もあまりしないということで、水槽の底砂を掃除する生き物を入れておき、汚れが上部フィルターに集中するように

しておくと、効果的だと考えられます。

また、病気の面は残念ながら後述するようなオーバーフロー式などの「濾過器の安定」による治癒能力をやはり

もちにくいため、薬品による治療をいつでもできるように準備をしておいたほうがいいと思います。

オーバーフロー式ウエット濾過の真の価値 

ヘドロは味方?濾過器の汚れはある意味歓迎

 私が結構、魚水槽での薬品使用を進めるので、そうは思われていない方も多いと思いますが、本来は私も硫酸銅否定派である

のです。(そのために、低比重法併用のほかの薬品をつかった白点治療法などを必死こいて考えたわけですから・・。)本来、海水

魚の魚飼育で最終的に目指すべきだとかんがえていますのは、以前からほかの項でものべましたように、「ウエットフィルターによる

最終的な安定」です。これは、残念ながら、多くの場合にオーバーフロー式くらいの容量がないとなかなか難しい面があるのは

たしかです。しかし、最近あまりにも硝酸塩ばかりの話が多く、ウエットフィルターからベルリン式にのりかえた方も多いと聞きます。

 しかし、実際にはどうだったでしょうか。硝酸塩は減ったかもしれませんが、病気が出たり、また出たときに治療できない状況に

陥って、結果的に魚が短命におわっているようなことはないでしょうか。仮に今病気がでていなかったとしても、いつでるかわから

ない状態でヒヤヒヤしながら飼っているのは辛いものがあります。

上の話とは逆になってしまいますが、堆積するヘドロやゴミによる目詰まりというのは、かならずしもマイナスばかりではないと

思うのです。 サンゴ砂や、あるいはいろいろなろ材をつかった大きなウエットフィルターは、数ヶ月〜1念くらい使用しますと、単なる

ろ過能力だけでなく、「本来の安定」がでてきて、実感できるようになります。これは、なんの安定化といいますと、まず病気に対する

安定です。ほとんど病気がでなくなります。白点はもちろん、魚がケガをしても、化膿も糜爛(びらん)もすることなく、自然に治癒しま

す。そして水の透明度が非常に高いです。また仮に硝酸塩が50ppm以上もあるような状態でも、魚は元気であり、なんとなく魚が

悠々としていて非常に安心して飼育ができます。私の家の水槽も、2002年に引越しし、2003年頃に水槽をつくって、半年以上前

からようやくこの状態になりました。(これはガイドの飼育記録にあるとおりです)

上の写真は、濾過器の一部ですが、砂の間にゴミというかヘドロがつまっています。この状態は、硝酸塩が増えるという点では

確かにマイナス要因ですが、水をきれいにしているいわば「ヘドロによるフィルター」として機能している面があります。無論、ここまで

目に見えて目詰まりがおきていなくても、十分に安定した状態はつくれますし、できれば、こういう目に見えて目詰まりしている状態に

ならずに長期間安定させたほうが、硝酸塩の増加の意味ではプラスだとおもいますが、これは極端な例としてみたってください。

 どちらにしても、長期間使用し、ある程度ろ材のこまかいウエットフィルターの安定は魚を飼育するときには「宝」と言えるでしょう。

ある程度目詰まりした濾過器の部分が、細菌レベルの大きさの物理的なろ過による安定ということが望める点では、非常に大きな

メリットであると考えます。こうなると、前述の小型水槽での飼育法の方針とまるで逆になってしまいます。

無論、こういった濾過器の場所は、絶対にいじらないようにし、いかに掃除などせずにながく使用できるかがポイントです。

この濾過層にいたる前の部分で、ウールやあるいは沈殿を利用して物理的なろ過を行っておき、生物ろ材にたまろうとするゴミや

ヘドロをあらかじめ取り除けるようにしておき、また1ヶ月1回は交換することで、ながく交換していかなった部分を急激にかえ、

病気がでないようにしておくとベストだとおもいます。(このシステムの場合、90*45*45cm2本、濾過層も90同サイズの

3段水槽システムで、ポンプの実質的な流量はわずかに15Lです。それが逆に、濾過層が少々めづまりしても、水が流れなくなる

などということがおきにくい原因のひとつです。単純に、ポンプのちからが弱いのであんまり流れていないわけです。それでも水の

透明度は抜群です。)そして、やや強めの還元濾過をくわえ、濾過器に多少はたまっていくであろうヘドロの溶解くらいには対応で

きるようにし、魚中心の一般的な水槽であれば、硝酸塩を30ppm以内にしてくことができれば、十分に長期飼育は可能だと思い

ます。(もちろんスキマーの設置も、汚れの除去という意味では歓迎です)

 まとめ ヘドロとどうつきあうか 

ここで実験・紹介した小型水槽では、いわば水槽内のヘドロは一切排除する方針です。また、オーバーフローなどでのウエットろ過

では、濾過器内には安定の意味をこめて掃除せず、ある程度必然的にたまるヘドロを水質浄化のために濾過器をさわらず残す、

というのがとりあえずのおすすめであります。(今のところです^^後々意見がかわったらご勘弁お)

 まあ、女性ともつきあってもないのにヘドロと付き合うのは正直気が重いですが、まあ所詮はヘドロのような人生ですし、吸い出され

て便所にながされるのも一興だと 本気で思う今日この頃であります。(ヘドロをたくさん含んだ廃水は、水道に流さず、できるだけトイ

レに流しましょう!)        

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